中国渡航記

九寨溝・黄龍旅行

九寨溝・黄龍旅行

 今年の夏は帰国せずに一人で九寨溝・黄龍(きゅうさいごう・こうりゅう)旅行に行った。十数年来ずっと行きたいと思っていた世界自然遺産である。現地での移動が個人では難しそうなのでHISの上海発着ツアーを利用した。

スケジュール

8/12(金)CZ8108 上海浦東11:55発→重慶14:45着
      CZ8183 重慶20:25発→九寨溝21:50着
8/13(土)九寨溝観光
8/14(日)黄龍観光
      3U8614 九寨溝16:50発→西安18:10着
      MU2169 西安21:00発→上海浦東23:15着

 

上海から九寨溝へ

上海にて重慶航空の機材

 スケジュールでは、重慶で乗り換え待ち5時間40分もあるので、空港から市内まで遊びに行けないか検討をしていたのだが、上海で乗る飛行機がなかなか来ず、結局3時間近く遅れて17時半頃に重慶到着、2時間程度の待ちでそのまま九寨溝行きに乗ることになった。因みに両区間とも中国南方航空便だが機材はA319で共に重慶航空のものだった。

重慶空港

重慶空港  担々麺

 重慶は初めて来たので、外に出て重慶(CHONG QING)江北空港のターミナルビルを撮影した。この空港はやや旧い感じ。待ち時間に本場の担々麺を食べようかと思って店に入ったが席になかなか案内してくれず、これでは注文も持ってくるのも遅そうなので、九寨溝行きの飛行機の中で食べることにする。

九寨溝空港

 定刻に標高3,500mの九寨溝空港に到着。寒い。売店では登山用の防寒着が売られているが、すぐバスに乗るので雨具だけを羽織る。ここからホテルまでは2時間。真っ暗な山道を走る。時折り下の方に町の灯りが見える。

 零時前にホテルに到着。5つ星の立派なホテル(ハワードジョンソン天源リゾート)だった。

ハワードジョンソン天源リゾート ホテルロビー 

 飛行機では予想に反して水のペットボトルが配られただけなので、お湯を沸かして万一の時のために持って来たクッキーと煎餅を食べる。

 九寨溝空港に迎えに来てくれたチベット族の現地ガイドさん(日本語)が、高山病予防のために、今夜は酒は飲まないでください、風呂は絶対入らないでください、シャワーなら10分以内、できるだけ手足だけ洗って寝るようにと言うので、シャワーも浴びずに寝る。

九寨溝観光

 6時20分にモーニングコール、7時半に出発のため、早めの6時に起き、朝食を食べに行くととても混んでおり、食べるものもそろそろなくなりかけている。

ホテルのエントランス 

 バス約30分で入場口近くの駐車場に到着、そこから15分ほど歩いて入場口に到着。ガイドさんが鯉のぼりをガイド旗として掲げてくれているので遠くからでもわかりやすい。でも、このガイドさん、人並みをかき分けてどんどん先に進むので一行13人は、置いてかれがちになるのであった。

私たちのガイドさん

 因みにこのツアーはHIS上海が上海および上海近辺在住の日本人向けに募集したもので、日本人ばかりで夫婦3組、女性のペア1組、男性のペア1組、独りで参加の男性3名から成る。

 さて入口の広場に到着すると、ガイドさんは私にガイド旗を預け、全員のパスポートを持って入場券を買いにゆく。

入口広場にて

 入場券は110元、風景区内のバス代90元のセットで1人200元(約3,100円)である。

入場券

 入場券を受け取って行列に並び、30分強でようやく入場ゲートを通過。ここで9時半頃。私たちは昨夜ホテル着が遅かったため朝の出足が遅かったが、本来ならあど1時間は早く来るべきであろう。

すごい行列

 ゲート通過後の風景区内は、一般車両入場禁止で専用のバスが頻繁に往来しており自由に乗降できる。始発駅では座れるだけしか乗せないので基本的に座れるが途中乗車では座れないことも多い。ガイドさんからは頑張って席とってください、と言われる。

 九寨溝は地図上で見るとY字形状をしており、一番下の入口から入って、中央の分岐点からどちらかに行き、奥までバスで行ってからポイント毎にバスを降りて散策して写真を撮り、またバスに乗って少し戻って散策、写真撮影を繰り返す。分岐点で昼食を摂り、反対側の奥までバスで行って、またポイント毎に散策、撮影で一番下まで戻って来るというのがここの見方である。

 私たちのツアーは、というかおそらく大半のツアーは1日で九寨溝を見るのでバス停とバス停の間を歩く人は、一部の区間を除いて少ないようだ。

入場券上のガイドマップ

 バスは右側の道を進んだが、一番奥の原始森林までは行かなかった。ここは一度伐採したので原始森林ではないそうである。よって、少し手前の辺りから観光開始。カッコ内は標高である。標高は特に記載がない場合、旅行会社から配られたガイドマップに記されていた値を記載。

 この後は写真でお楽しみください。

箭竹海
 箭竹海(2,618m)

熊猫海
 熊猫海(2,592m)

五花海
 五花海(2,472m)

五花海
 五花海(2,472m)

珍珠灘瀑布への途上
 珍珠灘瀑布への途上

珍珠灘瀑布
 珍珠灘瀑布(2,433m)

珍珠灘瀑布
 珍珠灘瀑布(2,433m)

ガイドさんとツーショット
 ガイドさんとツーショット

鏡海
 鏡海(2,390m)

 午前中は終了し、真ん中の分岐点のところにある休憩所で昼食を摂る。

土産物屋
 両側にチベット族の土産物屋のある通路を通ってレストランに向かう。

レストランの入口広場
 レストランの入口広場。

 レストランはバイキング方式で何を食べてもよいが、それほど種類があるわけでもなく、味も普段よく食べるサプライヤの工場の食堂よりちょっとよいくらい。因みに団体ツアーなので円卓を囲むと思いきや、工場の社員食堂のような広ーーーい食堂なので、単独参加の男3名で四角いテーブルに向かい合う。

 食後は午前中撮影した写真をWechat(日本のLINEのようなもの)にアップする。

午前中の成果をアップ

 中国に来てからは、何かやったら写真を撮ってWechatにアップして、みんなからの反応を楽しむ、といういまどきの若者風である。

五彩池
 五彩池(2,995m)

老虎海
 老虎海(2,298m)

老虎海
 老虎海(2,298m)

樹正瀑布
 樹正瀑布(2,295m)

樹正瀑布
 樹正瀑布(2,295m)

樹正瀑布
 樹正瀑布(2,295m)

盆景灘へ
 盆景灘へ

盆景灘
 盆景灘(2,140m)

荷葉寨
 荷葉寨

チベット劇

 九寨溝の景観を堪能したあとは、チベット劇を見に行く。これはオプション・ツアーだが、九寨溝への行きのバスの中でガイドさんが推薦し、面白くなかったら全額返金します、と太鼓判を押しているもので300元(約4,600円)である。

 私たちはガイドをしてもお金をもらえません、この劇を見てもらえるとお金をもらえます、と言われると、ガイド料をもらっていないはずはないが歩合分が入らないのだなと思い、やさしい日本人は申し込まない訳にはいかず全員申し込んだのであった。説明を終えると考える余地を与えずにすぐにお金を集めにまわるのは商売上手かもしれない。

チベット族の劇場  日本公演のポスター
 九寨溝蔵迷大劇院
     この劇は日本公演をしたこともあるそうで、日本公演のポスターが掲示されていた。

掃除の場景 字幕
 掃除の場景                 字幕が舞台の横に出るのでなんとなくわかる 

くまモン似のヤク 舞台全景
 ヤクの顔がくまモンに似ているような     舞台全景

 ストーリーは事前にガイドさんがバスの中で説明してくれていたので、ごく大雑把には知っていたが、劇を見ながらこのシーンがなにと把握できるところまではいかず、すごく面白かったというほどのものではないが、異文化なのでそれなりに興味深くはあった。

夕食

 夕食はホテル内のキノコ鍋専門レストランでキノコ鍋を食べた。やはり丸テーブルではなく個別テーブル。夫婦で来ている人には、こういうのはいいよね、などと単独参加の3人で話しをしながら食べた。一緒の席の男性は上海と上海近郊の日系電機メーカー勤務で、うち1名は、私が工場監査に行ったことのある工場だった。世界は広いが世間は狭い。

 さて、明日は今日よりもっと標高の高いところに行くので昨夜同様、今夜も酒、風呂は禁止のお触れが出たが、ここでビールなしはあり得ないので、自己責任でお願いしますという言葉で、小ピンを1本だけ飲む。キノコをこれだけたくさん食べたのは初めての経験だ。むしろキノコで当たらないかの方が心配なくらい。(夕食の写真はピンボケで失敗のためなし。)

 明朝の起床時間を言うのは私恥ずかしいです、とガイドさんからはバスの中で4時起床を告げられていたので、食事後は外に出たりせず部屋に帰って、午後の写真をWechatにアップしてすぐに寝る。

 3日目は上海戻りのため、飛行機の時間が16:50なのは妥当と思うが、3泊4日だとこのあたりに余裕が出てくるのだろう。ホテルの外はチベット族らしい雰囲気の店がたくさんあり散策できなかったのは残念である。あるいは1日目がもう少し早い時間の飛行機が取れていれば1日目に外に行けたのだが。

午後の成果をアップ

黄龍観光

 4時起床、荷物をまとめてロビーに5時集合。最初のうちよくガイドさんが6時はのびです、なまきょのお寺がありますとか言うのがわからなかったのだが、ラリルレロとなにぬねのの区別がつかないというのは日本語を学習する中国人にはあることだということを思い出し、のびはロビー、なまきょはラマ教と気が付いたのだ。

 因みにこのガイドさんは全体としてはしっかりしていいガイドさんだった。必要なことは説明してくれるし、ガイド旗は常時掲げる、時間管理も適切だった。

 ホテルから黄龍の入り口まではバスで3時間もかかる。バスで寝なおし、明るくなったころに弁当を食べる。弁当は蒸パンのようなパンケーキ2種、ゆで卵2個、トウモロコシの輪切り2切れ、リンゴ1個と牛乳1パックである。リンゴと卵1個以外を食べる。

雪山梁

 途中、標高4,007mの雪山梁という峠で休憩する。

雪山梁標識 雪山梁の景色

 実はここから標高5,588mの雪宝頂という雪山が直前まで見えていたのだが写真を撮る直前に雲に隠れてチャンスを逃してしまった。残念。

 峠を少し下ったところで工事現場を発見。なんとこんな高地にも高速鉄道のトンネルを掘っているのだ。日本だったら環境破壊と反対されそうだが、そういうことはお構いなしにできるのが中国の高速鉄道網が目覚ましく発展していく要因だろう。

高速鉄道工事現場1 高速鉄道工事現場2



 

天珠

 黄龍に着く前、まだ7時過ぎだが、天珠(てんじゅ)という西蔵(チベット)伝来の霊石の展示館兼販売所に立ち寄る。このツアーで唯一の買物だ。

 ここは国営だそうで、最初に日本語で丁寧な説明のあった後、ほぼマンツーマンで販売員が付く。苦手な展開である。霊石一つが5,000元(7,8万円)とか数万元とか高価なもので、もう少し手頃な値段でないと、予告もなく立ち寄ったこの手の店で買う人はいないのではないか。むしろ最近の裕福な中国人の方が買いそうではある。

天珠パンフレット

 天珠とは写真のようなものだが、このような幾何学的模様のある石が自然石とは俄かには信じがたい。偽物との見分け方も、本物は水に浮かぶが偽物は沈む、表面を顕微鏡で見ると本物は鱗状になっているが、偽物は印刷のため滑らか、などと説明があるか本当だろうか。。

 Wikipediaを調べると、「チベット(西蔵)から各地に伝わったことから、日本では「チベット天珠」または「西蔵天珠」と呼ばれている。メノウ、紅玉髄、カーネリアンなどを円筒形に加工し、表面に吉祥文様が焼き付けて、紐に通して身につける。」とあるが、現地でもらったパンフレットには天然自然の石で天から降って来たと言う話が古来よりたくさん伝わっていますと書かれており、Wikipediaが正しいなら、人工的な模様なのでこのような幾何学模様なのは納得できるが、パンフレットの書き方や現地販売員の説明は天然自然ということで、客に対して却って疑念を生じさせるものであろう。

 もっとも、疑念を感じる少数の日本人よりも、単純に天から降って来た珍しい価値のあるもの、と信じる大らかな客の方が多いのかもしれないが。

広域観光地図

 実はこの販売所では入口にあった地図(上の写真)に興味を持ってしまった。この販売所は川主寺という地図上で星印を付けられたところにあり、その上に九寨溝、下に黄龍があるので、特に黄龍観光の拠点となる場所である。四川省の省都である成都(地図の一番下)からバスで入る場合にはここに泊まることが多いとのことだ。

 成都から入る場合には左側のルートと右側のルートがあり、左側のルートを取ると都江堰という市があるが、ここは2008年四川大地震の際に被害が大きかったところで道路が通行止めとなったため、左側ルートは10時間だったのが右側ルートで12時間かかって大変だったそうだ。今は左側ルートに高速道路ができたため、早くなったとのことだ。

 因みに九寨溝空港は川主寺の右上すぐの辺りにあり、九寨溝まで2時間、黄龍まで1時間の場所だ。開港は2003年。

黄龍

 8時前後に黄龍入口に到着。標高は3,150m。ガイドさんが黄龍風景区の入場券を買って来てくれる。九寨溝のときは全員のパスポートを持っていったが、今回は私のパスポートのみを持って行く。パスポートを持って行くのはダフ屋行為を防ぐためと思われるが、黄龍は若干管理が緩やかなようだ。

 時間が早いせいかロープウェイ乗り場の行列は15分待ち程度で、8人乗りのゴンドラに乗り込むことができた。ゴンドラの中では中国人の若い女性5名と一緒になり、日本が好きだが日本語が話せない人とおしゃべりをしたが、こういう人は化粧もきれいにしており日本人と変わりがない感じだ。10分ほどで終点に到着。

ロープウェイ終点
 ロープウェイ終点の案内板

 ロープウェイ終点の標高は旅行会社からもらった地図には3,473mとされているがこれは間違いだろう。黄龍の最大のポイントである五彩池は標高3,552m~3,596mとされているので、眼下遙かに見える五彩池がここより高いはずはない。ロープウェイ終点の標高が明確に書かれているものは見つからないので、もしかしたらこういうものは国家秘密の一種なのかもしれない。およそ、3,700m~3,800mくらいと推測。

 黄龍の名前の由来をご存じだろうか。ガイドさんによると、上の方から見ると黄色い龍が地表を這って行くように見えるのでその名前がついたという。近くで見ると水の色は翡翠色や、水色、緑色だが、カルスト地形を作っている石灰岩の表面は黄色っぽく見えるので、遠くから見ると全体的には黄色く見えるということのようだ。

黄龍が這う様子 

 多分のこういうことだと思うのだが、私の右後ろに、龍が山の間を身体をくねらせながら這って行くように見えるわけだ。

黄龍案内図

 上図は、チケット表面に印刷されている地図。

 黄龍観光は左上辺りのロープウェー終点から右上方向にある五彩池に向かって赤色で示されている道を下って行き、五彩地を一周する分岐点に出る。黄龍観光は基本的に一本道の木道で間違えないようになっている。ここの分岐点は、体調をみて問題ない人は五彩池一周コースに向かうが、高度最高地点まで距離で400~500m、高度で数十mを上るため、高山病症状が現れている人は無理をせずにショートカットするためにある。

 ここをショートカットすると黄龍で一番見たかった棚田状の風景が見られなくなるのではないか、無理してでも行かなければと思ってしまうが、下の方にも規模はやや小規模ながら、同様の棚田は何か所かにある。

 五彩池一周後は下りの途中に緊急道と書かれた分岐があるが、ここは具合の悪くなった人を車両で搬送するための道のようで木道ではないので普通は間違えないだろう。この他あまり気づかなかったが、地図で見ると若干の分岐があるものの、すぐに元の道に戻るようだ。

雪宝頂

 雪山が見える。これが途中の峠で雲がかかって見えなくなってしまった雪宝頂(5,588m)だろう。よく見ると頂上には雪庇がせりだしている。

五彩池

 五彩池の最高地点(3,596m)

 これまで写真に見たのとは違う風景。最高地点から下流方向を眺めるとこうなる。このポイントは実際にはすごい人だかりだ。ここでは木道から出て、上流の清流の中に立って写真を撮っているマナー違反の若い女性がいた。こう書くと多くの人がそうやっていると誤解されるかもしれないが、こういう人は黄龍で1人しか見なかった。ただし、水流の中ではなく、木道の外で弁当をべている人は九寨溝、黄龍ともよく見かけた。

ゴミ収集の人

 因みに風景区内にゴミはほとんど落ちていない。それは上の写真のようにゴミを拾う人が大勢配置されており、常時ゴミを拾っているからである。もしこの人たちがいないと世界遺産もあっという間にゴミだらけになってしまうかもしれない。

五彩池

 五彩池。憧れの景色。翡翠色、もしくはエメラルドグリーン、緑色、黄色の水流が棚田状のカルスト地形を流れているところが美しい。

五彩池

 五彩池。記憶にある黄龍の景色。

五彩池

 五彩池。記憶にはなかった黄龍の色合い。

酸素バー 酸素吸入器

 酸素バー                 酸素吸入器

 ところどころにこのような小屋があって、1回1元で酸素吸入ができる。利用しなかったので使用方法はわからず。

酸素缶 酸素缶吸入状態 

 酸素缶。旅行会社より1人1本支給。キャップを外してスプレートップに嵌めて吸う。

 私はロープウェイを降りた頃から、歩きながら話をしたり、靴ひもを直したりとか、歩く以外のことをすると、息が上がる感じになるので歩くことに専念していたのだが、やや頭痛がする。そこで、下山道の途中で酸素缶を使ってみたが、すっと気持ちがよくなるような効果はなかった。すごく辛いときでないと効果がないのか、あるいはただの空気が詰まっていたのか、はたまた高山病は気のせいで日射病だったのか。

黄龍后寺

 黄龍后寺。ラマ教の寺院だ。

 ここから先は2時間の下り道となり、出口に午後1時集合である。ガイドさんは先に行って待っている。因みに日本発着ツアーの場合は日本から添乗員さんが付いて、添乗員さんが一番後ろを歩くとのこと。

 ゆるやかな下りの木道で高山病の気配がなければなんということのない快適な道だ。陽射しが非常に強いのだが、時折吹くとても冷たい風で汗をかいた身体から一気に体温を奪い去られ、これは風邪を引きそうなので、冬用ジャンパーを羽織ると今度は暑い。

 黄龍の気温が何℃で何を着てゆくのが適切なのかは事前にネットの天気予報で調べていたのだが最低7℃~最高15℃と出ていたり、25℃という情報もあったりよくわからない。標高にして前日の九寨溝より約1,000m高いので100mで0.5℃下がるとすると5℃低いくらいとなる。

 九寨溝はかなり暑く半袖シャツで寒ければ雨カッパを羽織れはよいというつもりで行き、体感は25℃~30℃くらいだったが、これに対して黄龍の7~15℃の予報は低すぎるが、そもそも黄龍自体標高差が1,000m近くあるのでどこの気温予報かということもある。

 ガイドさんは天気がよければ九寨溝と同様に暑く、雨が降ると寒い、と言っていたので結局どのようにでも対応できる服装を準備していくということだろう。私の準備も大体適切だったと思うが、なかなか調整が難しいものである。

 争艶彩池、明鏡倒映池、盆景池、飛瀑流輝、迎賓彩池ときれいな名前の見どころが続くのだが、どれがどれかはわからなくなってしまった。

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 わずか6~7Kmの距離を何度も休憩して酸素缶を吸って、目標時刻の10分ほど前に集合場所に到着。私は最後から2番目だったが、中年の女性がひとり私よりもかなり苦しんでいたようだ。私の高山病が昨夜のビール1本のせいだったかどうかは不明である。

九寨溝空港

九寨溝空港 九寨溝空港 

 正式には九寨溝・黄龍空港、3文字コードはJZH(Jiuzhaigou Huanlong)。

 昼食後、バスにの乗り、再び4,007mの峠を越えて空港に戻って来た。バスで約1時間寝ている間に頭痛はだいぶよくなったが、この空港も3,500mであり、頭が重く、また空港内は空調が効いておらず暑い。定刻に搭乗でき、機内の冷房で一息つく。

西安空港

西安空港

 兵馬俑で有名な西安の西安咸陽空港、3文字コードはXIY(Xian Xianyang)

 重慶空港は古い感じだったが、ここは新しくシャレた感じ。

 西安で降りるとすっかり頭痛はなくなっていたので、ほとんど食べられなかった昼食の分を取り返すべく、日本ブランドのコーヒーショップでカレーピラフを食べながら、今日の成果をWechatにアップする。

黄龍の成果をアップ

 因みに、Wechat上のコメントをここでは七言絶句風に書いている。最近漢詩を作るのが趣味だが、今回のは単に字数を7文字4行にしているだけなので、日本で言えば、俳句ではなく川柳みたいなものだ。真面目に作るときは韻を踏んで、中国人の先生(と言っても漢詩が作れる友人)に見てもらって修正してもらう。ただ、正式に作るとすぐに言いたいことが言えないので、このように字数だけ合わせるのがちょっとした頭のトレーニングとなって面白い。

 読む方も、このホームページがそうであるように私はついつい文が長くなるので、文字数制限がある漢詩形式の方が読みやすくていいかな、と勝手に考えている。

 ツアーメンバーは全員上海出発だったのだが、帰りはチケットが取れず1人が成都経由になっていた。九寨溝は、成都か重慶か西安のいずれかを経由することが多いようだ。

 上海浦東到着は定刻到着率が低い中国東方航空の、しかも夜の便にしては珍しく定刻より早い夜11時。タクシー約40分待ちで自宅には1時前に到着。

 久しぶりに自分のためだけの旅行で美しい景色が見られてリフレッシュできた。大満足!

(2016/8/27)

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