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北海道スキー

北海道スキー

 2月末に北海道キロロリゾートへスキーに行った。スキー復活後4回目だが、1ヶ月の間に4回も行くとは雪国の米沢転勤中以来のことだ。今回は、3月の海外スキーの予行演習も兼ねて荷物はスキー宅急便などで送らずに全部ハンドキャリーした。バッグとスキーの両方を持って電車の乗降、乗り換えをする練習である。3月の海外スキーでは空港着陸後、現地のホテルまで2,3回の鉄道乗り換えが必要なのだ。

 出発日は土曜日、常磐線上野東京ライン品川行きの始発電車に乗る。空いていそうな先頭車両の一番前でスキーを立て掛けるつもりだったが、この場所は自転車を折り畳んだ先客2人に占領されており、やむなくドア脇の三角コーナーに。土曜日なので通勤客に迷惑をかけることもなく品川に到着し、京浜急行羽田空港行きに乗り換える。京急品川駅は、次々に色んな行き先の電車が来るので並ぶ列も3通りくらいに分けられている。一段高いところのボックス内に立つ駅員さんがてきぱきと案内アナウンスをして乗客を捌いていく様はあたかもDJポリスのようでなかなかカッコよいものだ。土曜日でもホーム上も電車の中もかなり混んでいたが、無事乗り込んだ。

 ANAエコノミークラスの預け荷物制限重量は、1人当たり合計20Kg以下。通常の大きさ制限とは別にスキー(スノーボード)は1セット持ち込める。2泊3日なので着替えなどは最小限だがスキーとストックを布ケースに入れると5~6Kg強となり、バッグの中にスキーブーツを入れるとスキーと合わせて20Kg以内にするのはなかなか難しい。往きの羽田での計量は妻の分が若干オーバーしたものの、私の分が若干余裕があったため合計で丁度40Kgということでパスさせてもらえた。帰りもお土産は一切入れずに預けてから買うことにしやはり合計40Kgでパス。自動荷物預け機だと2人合わせて40Kg以下というような裁量の余地はないので超過料金を払うことになったかもしれないが、特大荷物(スキー)のおかげで係員のいる窓口に行ったため却って助かった。

 

荷物の写真

 千歳空港から余市郡にあるキロロリゾートまではバスで2時間、遅れもなく2時過ぎに「キロロ トリビュートポートフォリオホテル北海道」に到着した。初日、リフト3時間券は4,200円と高いため、16:30~19:30までのナイター券1,700円にすることとし、3時に部屋に入れるまでは午後のティータイムで、その後着替えて16:00のスキー場行きシャトルバス(無料)で出発。バスだと5分だがスキー靴を履いて歩くような距離ではないし、道路なのでスキーをつけて滑っていくこともできないが、バスは早朝と夜9時以降を除いて10分に1本あるので別段問題はない。

 スキー場に到着すると目の前のマウンテンセンターでリフト券を買う。ICカード方式なので、ナイターと翌日の1日券(5,800円=ナイターまで通して滑れる)をまとめて購入。カードは1枚だ。ICカードのデポジット500円を合わせて、1人8,000円を払う。随分と高い印象ではある。念のため、翌日天候不良でリフト運休だったらどうなるのか尋ねたが、よくあるのは強風で山頂まで行くキロロゴンドラが運休になることだが、その場合でも下の方が動いていれば払い戻しはなし、全面運休の場合のみ払い戻しするとのことだった。帰る日の3日目は出発までの時間が短く、滑らない可能性が高いため買わず。

 ナイターで滑れるのはファミリーリフト234mを利用するファミリーコースと、センターエクスプレスリフト1,130mを利用するセンターAコースとセンターBコースだけだ。迷わずセンターエクスプレスリフトで上がり2時間ほど滑った。適度な中級斜面できれいに圧雪された上に新雪が少し積もり、まさにパウダースノーだった。ナイターは滑っている人も少なく気持ちがよかった。

 2日目は、まずゲレンデに向かって左側の長峰第1エクスプレスリフト(1,580m)と長峰第2エクスプレスリフト(1,040m)を乗り継いで向かって左側の長峰(標高1,090m)に上がり、長峰第2-Aと第2-Cを何度か滑った。やはり適度な中級斜面でコブなしに圧雪された上にふかふかの新雪が積もり快適に滑れたが、頂上付近は風が強く、粉雪なだけに地吹雪となって顔に吹き付けるのでフェイスマスクなしてはいられなかった。私は今回新しく買ったネックウォーマー兼用のフェイスマスクだったので、ゴーグルから下をマスク状に覆うわけだが、これは吐く息がマスクの中に籠もり結露してびしょびしょになった。休憩時に外して、再び装着すると濡れた水着を乾かないまま着たように不快である。次回までに呼気が外気と換気されるタイプのものを準備しよう。

キロロのゲレンデの写真

 昼食を前に先に休憩を取る妻を残し、向かって右側の朝里(標高1,180m)に、キロロゴンドラ(3,300m)で上がる。これには15分かかる。一人になった機会に朝里に向かって一番右側の朝里第2-Aという上級者コースを降りる。ここも圧雪されてコブはなく斜度も中級者コースとほとんど変わらない感じ。先に滑り出した人はどこかに行ってしまったので、広い斜面を一人で滑る。

 因みにこのスキー場は新雪・深雪を求めてくる人も多いようで、ゲレンデ外の滑走禁止エリアでも、オフ・ピステエリアとして自己責任で滑ってよいエリアがあるのだ。ただし、もしここでスキーパトロールによる救助が必要となった場合は救助人件費、スノーモービル使用料などが発生することがスキー場案内板の横に明記されている。

 朝里第2-Aコースは最後の方は斜度がほとんどなくなり苦しかった(そういえば午後に一度滑った朝里パノラマコースは、幅の広い林間コースで、平らな部分が長く、クロスカントリーコースかと思わんばかりだった)。ここを抜ければマウンテンセンターに出られると思っていたのに余市(標高900m)の麓の袋小路に入ってしまい、余市第2リフト(407m)で一旦余市に上がりそこから余市第1-Aコースで降りてくるハメになったので、妻との待ち合わせ時間を20分も超過してしまった。昼食は一番経済的そうなカフェテリアで食べたが、ここはよくあるゲレンデ食堂メニューで1,000円台のものが多かった。

 昼食後もキロロゴンドラを何度か上がったが、山頂付近は零下16℃で風が強く、とにかく寒い、というか顔が痛い。そういうところへスキーやスノボを持たない外国人観光客がけっこう上がってくる。話されている言葉は、中国語(普通話)、広東語、タイ語などである。そして、山頂に立てられたモニュメントにぶら下がるキロロの鈴を鳴らしてお祈りをして記念写真を撮るのだ。ここでお祈りをすると願い事が叶うというアイヌの伝説が東南アジアの人たちに知られているらしい。因みに中国語、広東語を話す人たちも大勢スキーやスノボをやっており、またタイ人向けのスキースクールの集合場所の案内などもあり、ずいぶん国際的なスキー場だ。ニセコなども外国人スキーヤーが多いと聞いていたが、オーストラリアやニュージーランドなどの人がメインかと思ったら、そういう人よりもアジアの人の方がずっと多い。そういえばホテルの従業員も訓練生の人が多く、インドネシアから来ているとのことで、みな日本語ができる人だった。

 宿泊したホテルも外国人が多く、ホテルの人に尋ねたら7割くらいが外国人で中華系が最多、次がタイなどの東南アジア、その次がオーストラリアなどだそうだ。因みに今回のツアーはANAスカイホリデーの2泊3日、旅行代金は羽田-千歳の飛行機、ホテル(朝食付き)、ホテル内のキロロ温泉入浴、空港-キロロ往復バス(オプションでセット)を含み、リフト券は含まず1人52,800円で、北海道スキーツアーとしてはまあそんなものかと思うのだが、ホテルはSPGグループの高級ホテルだ。ゲレンデ直結の同じくSPGグループのシェラトンはもっと高かったのでゲレンデから離れたトリビュートホテルにしたが、夕食の選択の余地がない。というかレストランはホテル内に4店、ホテル直結のキロロタウンに3店あるが、価格帯の選択の余地がない。全部トライしたわけではないが、最初に予約しようとした炭火焼のところは満席で取れず、結局取れるところでイタリアンになり、コースメニューで、1人7,500円か5,000円、これにワインを飲むと最低も4,000円程度追加となる。結局7,500円のコースにしたが、これは美味しくウェイターのおじさんはとても感じがよかった。翌日はワールドビュッフェで1人5,000円とビール。これはイマイチで、あまり北海道らしいものが食べられなかった。高そうなので寿司屋はトライしなかったのだが、後で調べたらコースで1人7,500円か5,000円だったので、どうせ同じ値段なら北海道らしいものが食べられる寿司屋にしておけばよかったと後悔。もっともこれも席が取れたかはわかならい。もしもう一度行く機会があれば事前に予約しておこう。

ホテルの雪の写真

 ツアーの価格はともかく、ホテルは食事代で稼いでいるのであろう。こんな高い食事をアジアからの旅行客が食べられるのかと思うが、中国人富裕層ならなんてことはないだろう。レストランでは食事券を持っている尋ねられたので、おそらく外国からのツアー客は夕食もパックされており、イタリアンにはそれらしい人はおらずワールドビュッフェの方には大勢いたので、ビュッフェ限定で定価より安く食事を提供しているのではないかと想像する。

ホテル内の案内の写真

 キロロ温泉は、大浴槽、ジェットバス、露天風呂、サウナと揃っており、夜、夕方、早朝と3回入りに行ったが、どの時間帯も混んでいることはなく快適に利用できた。キロロ温泉は別棟で有料だが、宿泊棟の8階にパブリックバス(公衆浴場)があり、これは宿泊客なら無料で利用できる。覗いてみただけだが、こちらの方が眺めはいいかもしれない。

 3日目は朝風呂を浴びているときには晴天で、帰る日に晴天とは残念と思ったが、昼前には大雪になっていた。昼食は売店で300円!のカップヌードルと持参の菓子と食べて済ませ、昼過ぎのバスで空港へ。チェックイン後、空港のレストラン街で海鮮生チラシ丼みたいなものを食べた。1,400円。これが今回最も北海道らしくて美味しい食事だった。

空港レストランの生チラシ丼の写真

 飛行機は定時の18:10に羽田に到着。この日は月曜日でちょうど帰宅ラッシュの時間帯であり、電車でスキー荷物の塩梅は往きでだいたいわかったので、ホテルからスキー宅急便で送る、空港からスキーかバッグかどちらかだけでも宅配便で送る、などの案も出たのだが、空港バスで常磐線の柏駅まで行けば、電車も柏から先は空いていてよいだろうということになった。羽田→柏は、空港バスで1,540円なので、柏から先のJR代を加えても京急プラスJRより500円ほど高いだけで、宅配便利用よりはずっと安くグッドアイディア。バス乗車時間も1時間40分なので、電車より多少遅いが、ずっと座って来れるので快適だった。

 最後にホテルの朝食は美味しかった。北海道牛乳や、北海道牛乳でその場で絞りだせるソフトクリームもよかった。従業員のホスピタリティも訓練生でもまずまずであり、食事の値段が高いのとレストランの希望の予約が取れないのを除くとよいホテルと思う。

ホテル朝食の写真

(2018/2/28)