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北海道スキー2

北海道スキー2

 少し時間が経ってしまったが、2月中旬にニセコに行った。その一週間前に友人とのスイス7泊9日のスキー旅行(スイススキー旅行2参照)から一生分のスキーをやったと満足して帰って来たばかりなので、初めてのニセコに申し訳ない気持ちではあった。しかし、ゆっくり少しだけ滑りたい妻と一緒に行くのには気持ちのバランスが取れてちょうどいいところかもしれない。 

1日目

 新千歳空港からニセコまでのバスが途中の交通事故の影響で迂回したものの予定どおり午後3時前にニセコノーザンリゾートアンヌプリ(ホテル)に到着。妻は温泉に入ってゆっくりしたい様子だし、私も2時間ほどのためにリフト5時間券を買うのももったいないのでスキーには行かずアフターヌーンティーをしたり温泉に入ったりしてゆっくり過ごす。

 ホテル夕食券のビュッフェはたいしたことがないことが多いが、このレストラン「エクラ」のビュッフェはひとつひとつの料理が美味しい。ベストは目の前で焼いてくれるステーキで驚くほどやわらかくてジューシーだ。

 

2日目

 エクラは朝食ビュッフェも美味しく、満足できた。(因みに今回のスキー旅行パックは、夕食をオプションでつけたが、夕食、朝食ともにエクラ限定だった。)

 妻はアンヌプリ5時間券、私は全山共通1日券(下写真)を買い、午前中だけアンヌプリで一緒に滑ることとした。

 まずはアンヌプリゴンドラで上がり、パノラマコース(中級)→ファミリーコース(初級)→ダイナミックコース(中級)を滑る。雪質は粉雪で気持ちがよい。2本目は1本目と同様だが間がパラダイスコース(初級)。3本目はジャンボ第1クワッドで、パラダイスコースを2人で滑り、途中で私は別れてメルヘンコース(上級)、妻はジュニアコース(初級)を滑った。

 ランチはゲレンデ最下部のニュー三幸ニセコアンヌプリ店に入った。このスキー場を訪れるのは過半数が外国人のようで、実感としても7割程度は外国人と見える。よってこのゲレンデ食堂で外国人向けのボリュームのあるメニュー構成はやむを得ないとも言えるが、ハーフとか小盛を選択できるようになっているとシニアには助かる。量が3分の2で値段も3分の2というのがあったらちょうどよいのだが。ラーメンは大きなジャガイモがゴロゴロ入っており、私はもっとも量が少なそうに見えた焼きそばにした。ラーメンは美味しかったが焼きそばはふつうだった。

 

 また、食券をタッチパネル式の自販機で買うようになっているが、1台しかないため長い行列ができていた。1人が使い方にとまどうと列が進まないので、少なくとも2台か3台置いてほしい。日本に来てくれた外国人にも印象が悪いと思う。

 ただ食事ができたときに外国人には英語でアナウンスしているのは好ましい。食券をカウンターに出したときに外国人か日本人かチェックしているのだろうか。

 午後はアンヌプリ最上部のジャンボ第4ペアで一番上まであがり、ニセコビレッジの上部を横断し、グランヒラフに移動した。計画では夕方ラストはビレッジまたはヒラフの最上部のリフトで一番上に上がってアンヌプリに戻ってくる予定だったのだが、ビレッジ最上部のワンダーランドチェアA・B線はシングル(下写真)、ヒラフゴンドラに接続するキング第3クワッドの先の最上部のキング第4はシングルだった。

 高所恐怖症の人間にとってシングルはセーフティーバーもなく乗りたいものではない。もうひとつの最上部のエース第4ペアもセーフティバーがないようだったので乗るのをあきらめた。

 下写真はニセコアンヌプリ(標高1,308m)最上部にかかるリフト。写真中央がエース第4ペア。

エース第4ペアの拡大写真。セーフティーバーなし。

 高所恐怖症の人間がスキーをやるな、と言われればそれまでだが、小さい子供連れで来た場合もシングルに一人で乗せるのは心配だし、ペアでもセーフティバーの安心感がほしい。外国人のスキーヤーも多く来ているが、いまどきシングルやセーフティバーのないペアというのは時代遅れで不安全だと思う。1週間前に行ったスイス(ユングフラウリージョン)のスキー場ではそういうリフトは1基も見なかった。

 特にニセコの最上部は相当風が強く、アンヌプリのペアリフトで上がってくるときも相当揺れていた。これはセーフティバーにつかまることができたのでよかったが、強風時の安全性向上のためにもセーフティバーの装着を是非検討してほしい。アンヌプリのジャンボ第4ペアは乗車時のローダー(ベルトコンベアのようなもの)が設置されており、これはこれで乗車時の安全性の向上につながってよいが、基本的なセーフティバーはニセコ全域で装備させてほしい。なお、アンヌプリは比較的ファミリー向けということもあるかもしれないが、全リフトにセーフティバーが装備されシングルリフトはなかったと思う。

 スキー場の規模や雪質という点では国内最高といってもよいが、リフトにセーフティバーがないために結局帰りはグランヒラフマウンテンセンターからシャトルバスに乗り、アンヌプリまで50分もかかってしまった。少数派の意見かもしれないが、若い頃にスキー全盛期を経験した現在シニアとしては、スキー人気を高めるためにも誰でも乗りやすくて安心なリフトにしてもらいたいと思う。

 スキーの天気としては概ね好天で止まっているリフトもなかったが、羊蹄山の頂上は雲に覆われていた。

 2泊目の夕食も同じエクラのビュッフェだが、ステーキと刺身類以外の洋食、中華メニューはダブるものがなく楽しめた。この日のお酒は日本酒にした。ワインだと2人で1本飲み切れるのだが、日本酒だと飲み切れないのはどうしてだろう。度数も量もほぼ同じなのに。

3日目

 この日の朝食は和風でまとめた。

 前日は何だかんだと言いながらも丸一日滑ったので、最後の日はもう滑らなくてもいいかと思っていたのだが、夜中に目が覚めたときにアンヌプリの最上部は滑っていないのでここだけは滑ろうと思いついた。朝、ホテルのフロントに行ってリフト券を買おうとしたら8時にならないと売り始めないとのこと。8時にリフトの営業可否判断がされるのでその後に販売開始となる。フロントの人と話していたら、スキー場のパンフレットには最短で5時間券までしか載っていないのにホテルでは3時間券が買えることがわかった。5時間券に比べシニアで300円安いだけの2,900円だが少しでも安いに越したことはない。

 空港行きのバスは午後2時発なので着替え、ランチを素早くやれば1時まで滑れるが、そこはもうシニア、これまでの経緯からもがつがつ滑らなくてよいし、チェックアウトが12時なので温泉に入る時間を見て11時頃に上がる予定でひとりで出かける。

 アンヌプリゴンドラ乗り場につくとまだ動き始めておらず少し待って運転開始。同じゴンドラに乗り合わせた外国人父子(子どもは幼稚園児くらい)の会話の様子が微笑ましかったので、ちょっと話しかけてみた。英語でしゃべっていたにもかかわらずスペインから来たそうで、新潟のスキー場にも何度か行ったことがあるというので、日本に住んでいるのかと思ったら好きでときどきスキーに来るらしい。日本のスキー場のこともある程度知っているようで、私はふだんどこで滑っているのかと聞かれたので、ハンターマウンテン塩原などと言ってもわからないだろうと思い、栃木県のスキー場だと答えた。さらにそれは何というスキー場かと聞かれ、ハンターマウンテンと答えると流石に知らなかったらしく、でも口のなかで復唱していた。

 アンヌプリゴンドラを降り、最上部のジャンボ第4ペアに乗る。ここは、乗り口にベルトコンベアのようなローダーがあり、リフト券ゲートの次の乗る直前にゲートが開くとベルトコンベア上に滑り降り、後ろから追いついてくるリフトの椅子に腰かけられるものだ。乗り場で滑って転んだりする可能性が減り、安全に乗車できる。これはスイスのシルトホルンのスキー場にも1箇所だけあったので先進的な設備なのだろう。

 このジャンボ第4ペアは高所恐怖症の私でも安心なセーフティーバーがついており、頂上に近づくにしたがって強く吹き付ける風で揺すられても安心だった。リフトに向かって右側の新雪・深雪斜面を2本滑った。雪煙をあげて滑れるがうっかりしているとニセコビレッジの方に降りてしまいそうになり、1本目は途中で気が付き横方向に滑ってアンヌプリに戻った。2本目は深雪で転んで消耗したので、3,4本目は向かって左側のチャンピオンコース(上級)のリフト寄りのコースを滑った。こちらはならされており、快調に滑ることができた。

 最上部は気温が低く風も強いのでヘルメット、ゴーグルにフェースマスクをしていたが、鼻水と呼気がマスクの内側で結露してびしょびしょになるのが不快だった。これを解決する装備は未だ見つからない。因みにニセコは外国人比率が高いことから、外国人は100%ヘルメット着用、全体的に見てもほとんど人がヘルメット着用していた。

 4本滑って満足しホテルに戻ってきたら10時半だった。用具を全てスキーロッカーから撤収し、部屋でゆっくり着替え、最後に温泉にも入ってチェックアウト。昨年はすべてハンドキャリーしたスキー用具も今回は板だけはスキー宅急便で来たので、自宅宛に返送する。

 ランチは夕食、朝食と同じホテル内のレストラン「エクラ」で食べるが、ランチタイムはランチビュッフェとアラカルトメニューの人はスペースが分けられており、こじんまりとしたスペースでカレーを食べた。値段はゲレンデ食堂と同等なので、こちらの方がゆっくり食べられてよかった。12時過ぎだったが席は空いていた。

 1時ごろに食べ終わり、ロビーフロアのライブラリースペースで大判の書籍を見てゆっくり過ごし、2時のバスで空港への帰途についた。

 ここのスキーバス(北海道リゾートライナー)の運行会社は何社かあるが、今回のバスは往復とも車内アナウンスは日本語でごくわずかだった。外国人のスキー客には不親切だし不安感を与えると思う。途中のトイレ休憩も何分間なのか日本語で言うだけなので外国人にはわからない。昨年キロロに行ったときのバスは、日本語、英語、中国語でアナウンス、画面での案内もあってよかったが、この路線は改善したほうがよいだろう。

(2019/3/19)