中国渡航記

帰国時のネット接続

帰国時のネット接続

 日本帰国時にスマートホンをどうやってネットに接続するか?

 こんなテーマは皆様には関係ないと思われるかもしれない。でもご子息が海外赴任されていて帰国するとき、あるいは外国の知人・友人が日本旅行をするときにどうしたらよいか相談を受けたときの参考になるかもしれない。

 いくつかの方法を試してみた。日本はWiFiがつながるところが少ないので、いつでもどこでもつながるよう携帯電話回線につなげる方法である。

 私はいつも携帯電話を2台携帯しており、ひとつは日本のdocomoのレガシー携帯、いわゆるガラケーで、もうひとつは中国で買ったスマホでふだんは中国聨通(China Unicom)の携帯電話回線につながっている。

 docomo携帯は、日本の携帯電話番号にかけてもらえればそのまま世界各地に転送されるワールド・ウィングというサービスを利用しており、家族等からの緊急連絡用である。電話とiモードのメールがつながればよいので、スマホにはしていない。というかスマホにすると自分が意識的に使っていなくてもいろんなアプリが裏で勝手にソフトの更新をしたりして海外の高額なパケット料金が発生するので、これを避けているのだ。

 スマホは、中国国内では中国国内の電話番号が必要なので持っている。中国から日本の番号のdocomo携帯に国際電話をかけてもらうわけにはいかないからである。もちろんスマホでは、これまでも本ホームページで紹介したような各種アプリ(微信、支付宝、滴滴打車etc)を使っており、とりわけ微信(Wechat)のようなSNSアプリは帰国時にも利用したいのだ。

 それで、このスマホを日本でどうやってネットにつなげるかがテーマである。外国人が日本に旅行に来て、写真を撮って日本の風景や食べ物をSNSでアップするときにどうするか、というときに必要なことでもある。日本はWiFiがつながるところがまだまだ少ないし、つながるところでも設定が面倒だったりするので、携帯電話回線でいつでもつながっているのがベストである。

 因みに私のスマホは電話とショートメッセージは国際ローミングしているので電話は基本的に世界のどこにいてもつながる。

So-netのプリペイドSIM

 5月に帰国したときに成田空港第1ターミナルで到着口から出たところのフロアにあった、携帯電話やWiFiルータのレンタル、プリペイドSIMの販売などをやっているショップで購入。
 7日間、1日最大215MBで2,480円。1日当たり354円。

 なお、SIMについては本ホームページ上の「大失敗の香港SIM」の項に詳述しているので参照されたい。

So-netのプリペイドSIM

 設定が面倒でアクティベーションというのも必要。空いていたのでショップの人が丁寧に全部教えてくれてようやくできたが、時間がかかって大変だった。

 このSIMを使う方法の大きな欠点は、スマホのSIMを入れ替えると電話が使えなくなることだ。このSIMは通話には対応しておらず、ネット接続だけなのだ。

 5月帰国当時、私のスマホはSIMが2枚入るデュアルSIM対応の機種だったので、通話のために中国聯通のSIMは入れたままにしておきたかったのだが、SIMの方がデュアルSIMのスマホに対応しておらず、中国聯通のSIMを抜かないとネット接続ができなかった。中国からはもともと帰国時に緊急連絡用として伝えてある日本の携帯電話番号に電話をかけてもらうことになっているので特に問題はなかったのだが。

 なお1日利用量の215MBは、動画を見たり、アップしたりしたわけではないので十分だった。

U-mobileのプリペイドSIM

 その後に帰国したときに5月と同じショップで購入。期間が10日くらい必要だったのでこれにあったものにした。その次に帰国した際はショップが混んでいたので同じものを写真の自販機で購入。自動販売機での価格は以下のとおりだが、ショップの方はもう少し安かったような気がした。

 15日間、1日最大200MBで4,000円。1日当たり266円だが、実際には9日滞在したので1日当たり444円。他に7日間2,500円(1日当たり357円)のもあった。

U-moboleのプリペイドSIM販売機

 これはアクティベーション不要で設定は比較的簡単。

 このSIMを使う方法の大きな欠点はSo-netのSIMと同じである。また、このSIMを手持ちのWiFiルータに入れて使うこともできないので、スマホの通話機能を生かしたままネット接続をWiFiルータで行うこともできない。So-netのSIMがWiFiルーターで使えたかどうかは確認しなかったので不明。

U-mobieの標準SIM

 なお、SIMの大きさには種類があるので、購入時には自分のスマホにあった大きさのSIMを選ぶこと。

中国聨通の国際ローミング

 毎回帰国時に成田に着いてスマホの電源を入れると中国聯通からのショートメッセージが届く。日本でネットをできるようにするサービス(データのローミングサービス)の案内なのだが、これまでよく読まずに電話して自動音声で流れる案内がよくわからずにあきらめていたが、10月帰国時に、ショートメッセージをよく読んでトライしてみた。

中国聯通のローミング申し込み画面

 1日26元(約400円)で利用できる。このショートメッセージに返信で「KTGJMY17」と送ると利用できるとのことで返信した。すると有効期限は12月31日でよければ「Y」を入れて返信とのことで返信。

 利用料金は10月の携帯電話利用料金のなかに合わせて請求された。

 この方法の利点は、SIMを入れ替えるわけではないので、中国の電話番号がそのまま生きていて電話が使えることである。
 また、1日当たり料金は高いが1日単位で利用できるので短期間の利用では得である。

CtripのWiFiルータレンタル

 Ctripは中国最大のインターネット旅行サイトである。来年春節帰国の航空券を予約したら、オプションで日本で使えるWiFiルータを申し込めることがわかったので、これが同僚が日本旅行をしたときに使った安いサービスかと思って予約した。その後以下のようなショートメッセージが送られてきた。

Ctripの利用案内画面

 1日10元(約160円)と安い。旅行会社が常時契約していてそれを旅行客に貸し出しているのかもしれない。
 上海浦東空港のターミナル1で受け取り、同じ場所で返却する。デポジットとして500元を取られ、返却時に返金される。

Ctripのルータ   貸し出し用セット

 WiFiルータは上記の写真のような手のひらに乗るサイズのものである。充電器とUSBケーブルも本体とともに携帯用バッグの中にセットした状態で貸し出される。(実際に利用したルータの写真に差し替え済。2017/2/14)これが日本の携帯電話会社の回線につながり、WiFiルータとスマホとの間はWiFiでつながるのである。設定はPWを設定するだけなので簡単だった。

 この方法の利点は、やはりSIMを入れ替えるわけではないので、中国の電話番号がそのまま生きていて電話が使えることである。ただし、スマホの他に持ち物が増えるし、WiFiルーター自体も充電が必要という欠点はある。

まとめ

 

  Sonet SIM U mobole SIM 中国聯通ローミング Ctrip WiFiルータ
利用可能日数 7日間 7/15日間 1日単位で設定可 フライト日程と同じ
1日利用可能量 215MB 200MB 無制限  無制限
料金 2,480円 2,500円/4,000円 26元/日 10元/日
1日当たり料金 354円 357円/266円 約434円 約155円
通話 不可 不可
設定 面倒 まあまあ 簡単 簡単

 

 以上は利用(申し込み)当時の情報で、サービス内容、価格などは変わる可能性があり、また機種によっては使えない場合もあるので注意されたい。私もショップでSIMを試して使えたら買いたい、と言ったらいったん開封したら使えなくても返金できません、と言われてしまった。

(2016/11/27)(2017/2/14 updated)

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