中国渡航記

春秋航空で帰国

春秋航空で帰国

春秋航空のA320(上海浦東空港)

 夏休みにLCC(格安航空会社)の春秋航空で帰国した。日本で最初に就航した上海-茨城便である。
 1ヶ月前くらいに、春秋航空日本のサイトで予約したが往復、すべて込みで、エコノミーで約2万8千円、ビジネスエコノミーで約6万円。

 以前に中国国内線を利用した際にエコノミーは座席の前後間隔が非常に狭くて腰が痛かったことと、エコノミーでは無料手荷物が非常に少ないことからビジネスエコノミー(春秋航空ではSpring Plusと呼ぶ)とした。同じ時期、JALやANAのエコノミーは7万円弱だったのであまり変わらないが、少しでも安いのと経験のためにこちらに決めた。因みに日本の自宅は成田空港からでも茨城空港からでも所要時間はほぼ同じ。

 クラスの主な違いをまとめると以下のようになる。

項目名1 エコノミー ビジネスエコノミー 備考 
料金例 28,000円 60,200円 往復、すべて込み  
座席前後間隔 膝が突き当たる 約10cm余裕あり 横幅は同じ 
食事 なし(有料で注文可) あり 行きは満足、帰りは不満 
手荷物合計 15Kgまで 25Kgまで 超過1kgにつき日本発で1,500円 
優先搭乗 なし あり   

手荷物

 手荷物は、通常の航空会社では預け荷物が20~23Kg程度、機内持ち込みがANAやJALで身の回り品を合わせて10Kgなので、合計30Kgくらいのものだが、それより春秋航空はビジネスエコノミーでも約5Kg少ない計算になる。

 春秋航空のサイトでは、手荷物の規定がわかりにくく、当初持ち込みが7Kgまでで、預け荷物が25Kgと誤解し、それ以内に収まるように何度も体重計で計っていったのだが、行きは上海浦東空港のカウンターで預けと持ち込みの合計重量を計られ、約31KgだったがOKと言われた。後で考えてみると行きは中国人旅行客の荷物は少ないのであまりうるさく言う必要はないということかもしれない。

 帰りは、もう一度サイトを見直し、上記の表のように合計25Kgとわかっていたのだが、荷物が減らしに減らして29.6Kgで5Kgオーバー7,500円を覚悟していったのだが、機内持ち込み手荷物からはパソコンとカメラ各1台を除外できることがわかり、2Kgオーバー3,000円の超過荷物代で済んだ。

優先搭乗

春秋航空チェックインカウンター(上海浦東空港)

 行きに上海浦東空港の春秋航空チェックインカウンターに着いたとき、長蛇の行列で一瞬失敗した、もっと早く来るんだったと思ったが、Spring Plusはビジネスエコノミーなので、ほとんど並んでいない左側2列の専用カウンターでチェックイン。

 搭乗口で待っていると、ゲート変更のお知らせ。残念なことにバスゲートへ移動。バスでは優先搭乗はないかと思っていたら、通常は立ち席のバス(下写真左側)が、Spring Plusでは椅子席の観光バス式(下写真右側)のに乗せてもらえた。

バスゲート

座席

 座席は最前列の1C席。Spring Plus席は1列6席×2列で合計12人だが、8人ほどしか埋まっていなかった。エコノミー席は満席。

 最前列で、膝頭から前の壁まで10cmほど余裕あり、腰当クッションも最初からあてがわれているので快適だった。

膝頭の空間に余裕

機内食

 行きは想像以上だった。ふつうの中国国内線エコノミークラスに比べると豪華といってよく、ご飯の他に料理6品がそれぞれ5cm×6cm程度のアルミ箔トレーにセットされ、その全体が大きなアルミ箔トレーにセットされている。

 ビールも無料で、CAの男性が氷を入れますか、と聞いてくれたがビールに氷は条件反射で断ってしまったが、これだけぬるければ氷を入れてもらえばよかったと後悔。一番前の席なので、カーテンの隙間からCA男性が顔を何度か出し、飲み物のお代わりはいらないかとか、トイレが空いたとが結構親切にしてくれる。

 行きはカメラを預け荷物に入れてしまっており、飛行中にスマホで写真を撮るわけにもいかず、食事の写真はなし。

 帰りの食事はがっかりだった。中国国内線の食事時間から外れたときに出てくるような、弁当箱程度の大きさの菓子箱にスナック類(ラーメンスナック、ピーナッツ、小さなケーキ等)の袋が5種類ほど入っているだけ。ぬるいスプライト(帰りは氷を頼んだが積んでいなかった)で流し込み、口直しに熱いお茶だけもらった。

 行きは上海発なのでいろいろ積み込めるが、帰りは茨城発で周りはあまり何もなさそうな場所なので、機内食工場もないのかもしれない。でも街の弁当屋さんで必要な数だけ調達すると言う手もあると思うのだが。

 なお、行きの機内ではテレビショッピングのようなノリでシェーバーを男性CAがいまならこれもつけて〇〇〇元などと販売を行い、到着少し前には国内製と同様エコノミークラス症候群防止の体操をテレビではなくCAが行っていた。因みに救命胴衣の付け方や酸素マスクの仕方なども実物でCAがやるのでわかりやすく、他の航空会社も見習うべきところである。

茨城空港

 茨城の空港3文字コードはIBARAKIをそのまま詰めたIBRとわかりやすい。

茨城空港に到着

 茨城空港には出発遅れのため約2時間遅れで到着。入国管理官の人にこの飛行機はどうして遅れたんですか、と聞かれたが、中国の空港ではふつう多少遅れても理由なんか説明しないのでわかりませんと答える。

 中国人も好きな日本のアニメキャラクターでお出迎え。

茨城へようこそ

 出国審査後の免税店では空港を共用している航空自衛隊百里基地コーナーがある。空自戦闘機のプラモデルなども売っており、中国人観光客が多い茨城空港としては微妙な感じだが、特に気にする人もいないようすで最後の買物に勤しんでいた。

免税店の空自コーナー

 日本製炊飯器がここにもすぐに持ち帰れるように積み上げられている。

免税店の炊飯器

 なお、帰りは出発3時間も前に空港についたが、出国検査前のエリアには食事を摂れる店と十分な待ち合いスペースがあり、出発2時間前のチェックイン開始までの時間を過ごすことができる。ここは日本だが、2時間前にならないと誰もチェックインカウンターに現れないのはさすが中国の航空会社である。

 空港アクセス

 茨城空港は公共交通機関が不便なところにある。中国人観光客は大型観光バスでどこかに行ってしまうので関係ないが、私は予約しておいた乗合タクシーでJR土浦駅まで移動した。乗合タクシーとはいえふつうのタクシーの車で、同乗者は他にはいない。結局メーターは9,000円超だが、料金は定額の1,500円。県から補助が出るそうだが、会社としては赤字だそうだ。

 運転手さんが、ここの飛行機はよく遅れますと言う。中国人観光客の爆買いで荷物の積み込みに時間がかかって離陸が遅れるというような話で(TVニュースで言っていたのでその受け売りかも)、その折り返しがまた順に遅れるというようなことかと思ったが、運行ダイヤを見るとそうではないようだ。上海から茨城に来た飛行機が1時間後に折り返しで茨城から上海に戻る形なので、私が来たときのように上海発が原因不詳で遅れるのでそのせいで折り返しも遅れる、というのが正しいのではないか。運転手さんは到着便が遅れると待つのが大変だが、出発便が遅れてもそれは知ったことではないはずなのである。

日本で買物

 中国の会社の同僚に結婚祝いのプレゼントに日本製ソーラー電波腕時計を買ってきてほしいと頼まれていたので、秋葉原や有楽町の免税店で探して買い求めた。

 中国在住日本人は〇年以上在住だと免税になると聞いていたが、〇年という制限もなく、パスポートを見せると中国VISA(外国人居留許可証)を確認して免税にしてくれるようだ。そのうえ中国の銀聯カードで支払うと5%の割引となり、かなりお得な買物ができたのであった(有楽町ビックカメラ)。頼まれた高額品だけ免税で買ったが、自分用に買ったエネループ(充電式の電池)も免税にしてもらえばよかった。いまレシートを見たら、ヨドバシカメラアキバ店で銀聯カートで買ったのだが、5%割引にもなっていなかった。店や買い物金額によって扱いが異なるのだろうか。

(2015/8/23)

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