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消火器暴発

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消火器暴発

 有効期限をとうの昔に過ぎて捨てたいが捨て方がめんどうなので放っていた、多分20年以上前の消火器が暴発した。台所の冷蔵庫の横に置いてあったのが、足を引っかけて倒れた拍子に消火薬を噴出させたのだ。

 最初、一瞬なにが起きたのかわからなかった。白いものが勢いよく噴き出したのでドライアイスかと思ったが、直後に消火器が倒れたとわかったもののもうもうとものすごい勢いで白い煙が拡散するのでその場から退避するのが精一杯だった。家庭用の小型タイプだったが、おそらく10秒程度は噴出を続け、隣のダイニングの一部にまでもやがかかってしまった。

 煙が収まってから現場を見ると倒れた消火器には、ついていたはずの安全ピンがない。安全ピンが外れてもレバーを握らないと出ないはずなのによほど倒れ方が悪くてレバーを握るような力が加わったのだろうか。しかしあたり一面ピンク色の粉だらけになってしまい、悪いことにパントリー(台所の収納庫)の扉が半分開いていたのでパントリー内も粉だらけになってしまった。さらに届いたレインウェアを試着していたところだったので新品のウェアの裾にも粉がついてしまった。最悪。

粉だらけの写真

 茫然自失である。床上浸水にあって家中泥だらけになったらこんなものでは済まないだろうとは思うものの、それのミニ版くらいの衝撃を感じた。場所が悪い。台所である。食器や道具がたくさんあるし、食べ物もある。台所関係の物がたくさん詰め込まれたパントリーの中はさながら廃墟のよう(上写真)。しばらくはその場に立ち尽くしたが、気を取り直し粉末消火器のピンクの粉は有毒ではないかを調べると幸い無害で水で流せる。それでまずは場所によっては3~5mmくらいの厚みに積もったピンクの粉を取り除き、粉がかかった食器は全部洗い、直接粉に触れた食品は処分し、ホットプレートや鍋用の卓上ガスコンロやカセットコンロやあぶり焼き太郎(カセットコンロ式卓上焼肉器)や電気たこやき器は、外して洗えるところは洗ってあとは雑巾でふこうとか大筋の方向を決める。

 粉は掃除機で吸うとすぐに一杯になるしフィルターが詰まるしだが、スタンド式の紙パックレスのは3回粉を捨て、紙パック式は紙パックを1回替えたあと過熱したのかしばらく動かなくなったりで大変だったが、夜8時頃の事故発生後、12時過ぎまでかかってなんとか台所の床の粉だけはざっと雑巾がけまでし、流し台の上のものやワゴンに乗っていた食品類は妻が洗ったり選別して捨てたりしてくれた。

 翌日はたまたま妻が休みだったので、午前中いっぱいかかって粉がかかった食器類は全部洗い、パントリーの中身を棚5段のうち下3段を全部出して、洗ったり拭いたりした。運悪くこの日は雨が降り出しそうな雲行きだったので大物を外に出しても乾きが悪い。午後も天気が良い日にやろうかと取っておいたものを、少しずつ片付け夕方にはほぼ復旧した。パントリーの中のものも粉まみれになったのを機会に、最近では使わなくなっていたものをたくさん捨てたので見通しがよくなった。災い転じて福と成すというほどでもないが少しは前向きに考えよう。また、台所だったので食器はとにかく洗えば元通りになる、というのは幸いだったかもしれない。押入れのふとんや衣類が粉まみれになったら簡単には元通りにならなかっただろう。

 ところで消火器が倒れただけでどうして暴発したのかは、本来原因追究したいところだが、一面粉だらけで他の粉にまみれたものと一緒に消火器も不燃ごみ袋に入れてしまった(中身がなくなればただの不燃ごみでいいはず)のでいまさら出して調べたくはない。また粉だらけになるので。写真くらいは取っておけばよかったが。ただ、安全ピンとか安全ロックというような部品は以前見たときは確かにあったが今は見当たらない。倒れたときにどこかに飛んで行ってしまったのだろう。これまでも何度か倒れていたのでプラスチックの経年劣化か金属の錆びかで弱っていたのが倒れた衝撃で壊れてしまったのだろう。どっちみち有効期限切れなのでメーカーに言ってもどうにもならないし。しかし粉が固まって使えなくなっているかと思ったら、あんなに勢いよく出るとは今でも使えていたではないか。有効期限設定は余裕を見過ぎているのでは?

(2018/5/9)