中国渡航記

深センの地下鉄

深センの地下鉄

 公共交通機関としては、地下鉄、バス、タクシー、バイクタクシー?があるが、通勤や買物で乗るのはほとんど地下鉄。中国では地鉄と言う。日本との違いや感じたことを簡単に紹介する。

ホームドア

 ホームドアがある(多分すべての駅に)ので安全。人身事故や線路内人立ち入りで遅延や運転見合わせという日本では日常的にある不都合は起こらない。2,3分に1本来る。

ホームドア

 いつから営業運転を始めたかは知らないが、新しい分、先進国の具合の悪い点を学んで最初からホームドアを設置したものと思われる。

先に降りて後で乗る

 先下后上(先に降りて、後で乗る)というアナウンスが自動的に流れ、ホームに配置されている駅員もそういう看板を持ち、ハンドマイクで乗客の指導をしているが、これがなかなかできない。
 降りようとしているのに左右から乗り込んでくる。乗るんだから邪魔するなよ、という勢いである。
 また、ホームで列の一番先頭で待っている場合、すべての人が降りるまで待っていると、後ろの人に先に乗られてしまう。なので、ある程度降りたら横から乗り込み始めないといけないという郷に入れば郷に従え状態になってしまう。
 10年前の北京の地下鉄では、そもそも列を作って並んでいなかったので随分進歩したことは確かだ。

駅員の持つ看板




上の看板は次の電車は6両編成であることを知らせ、下の看板は先降り後乗りを促している。

若手の女子社員がやっていることが多く、深センの地下鉄はマナー向上の取り組みなどを積極的に進めており好感が持てる。

 

 

車内は静か

 電車の中は静かである。以前は地下鉄の中で大声で電話をする人が多かったが、いまはスマホのおかげで微信(日本で言えばLINE)をやる人や、イヤホンをつけてゲームをやったりビデオを見る人が多い。
 これが、広州と深センを結ぶ広深線の高速鉄道(和諧号だが、150Km/hくらいしか出さないので正しくは高速鉄道とは言わない)の車内では、ビデオやゲームをイヤホンではなくスピーカーから音を出して見ている人がおり、大迷惑である。地下鉄車内は都市住民が大半だが、広深線は地方の人も乗っているからかもしれない。
 

自動改札

 自動改札は日本のSuicaのようなタッチ式(深セン通というカードを使う)である。かざしたくらいでは絶対読み取れない。定期券入れに入れたままでは読めないことが多いので、裸でやるとたいてい1度で読めるが、これは面倒なので定期券入れに入れたままの場合は、薄い樹脂シート1枚の面を出して下向きにしてタッチし、まるを描くようにすると合った場所で読み取れることがわかった。

深セン通

安全検査

 中国で何か大事なイベントがあるときや、爆破事件があったときなどは空港の安全検査のようなX線検査機に荷物を通さないといけない。というか何もなくても最近は毎日だが。改札機はたくさんあってもX線検査機は各方面の改札口に対して1台しかないので夕方の退社時には長蛇の列ができる。

安全検査の列

深セン都市報

 朝の通勤時、社内では多くの人が新聞を読んでいるが、みな「深セン都市報」を読んでいる。あるとき横から見ていて面白そうな記事があったので、降りてから道端のKIOSKのような店で深セン都市報を探すとないので、聞くとやはりないとのこと。あとで会社の人に聞いたら、あれは地下鉄の駅で無料で配布しているものだという。気が付かなかったが、出勤時、反対側の改札口の中で配っていることがわかったので、いまではそこまで行ってもらっている。
 香港の直近ということもあるだろうが、中国の新聞にしては香港の学生の中環占拠の記事なども載っており、また地下鉄と関係があるのか、地下鉄内のマナー向上の記事や、安全検査では毎日400件の持ち込み禁止物が見つかるので安全検査にご協力を、と言った記事が毎日きまった場所に掲載される。
 降車駅ではエスカレータのところで読み終わった新聞を回収するおじさんがおり、この新聞はリサイクルされているようだ。

深セン都市報

マナー向上記事

車内で大声でしゃべるのはやめましょう、というような記事。

 

 

新型車両導入

 いまの車両は日本のように省エネ電車ではなく、モーター音の高さが音楽のように変わることはなく、回生制動をかける音もしない。ところが最近の深セン都市報によると、今月初めに省エネ型電車の2編成目が導入されたとのことで楽乗るのが楽しみだ。インバータ式電車である。

現在の社内の様子

 ステンレスの硬いシートは腰が痛くなるし、滑って尻の位置がずれてくるのがよくない。掃除か消毒のしやすさだけを考えて作られているようだ。

(2014/11/8)

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