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霧降高原ハイキング

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霧降高原ハイキング

 霧降高原は日光市街から北に入ったところにあるので、いろは坂を上って中禅寺湖、奥日光方面に行くときには、私の中では常にパスされる運命にあった。しかし、今回初級ハイキングコースで手頃なところがないか探していたら、霧降高原バス停(1,343m)→小丸山(1,601m)→丸山(1,689m)→八平ヶ原(1,485m)→霧降高原バス停(1,343m)、総歩行時間2時間15分で、高原な感じが気持ちがよさそうなので行ってみることにした。

 以前は観光地に行くのは夏休みで高山植物の花の季節は終わってしまっていることがほとんどだったが、今年の梅雨は関東地方では6月末に早々と明けてしまったので7月最初の日曜日に行くことができ、期待が高まる。

 霧降高原バス停やレストハウスがあるところの駐車場は、午前9時に着いたが満車でその下の第二駐車場(いずれも無料)に停め、無料のシャトルバスでバス停のところまで送ってもらう。このシャトルバスは小型だが、新しくて座席の前後間隔が広く、わずか3分ほどだがとても快適だった。

 レストハウスで準備を整え9時40分頃にスタート。キスゲ平園地の中央に設置された天空回廊と言う合計1,445段の階段と、階段をはさんでジグザグの坂道を適当に組み合わせて登る。草原にニッコウキスゲの花が咲き誇っている。まさに花のシーズンで、満開の高原植物を見るのはこの歳で初めてで、早い梅雨明けに感謝!

ニッコウキスゲの写真 ニッコウキスゲの群落の写真

 

 霧降高原スキー場というのがあったよなあ、と思っていたが案内板を見ると、ここがまさにそのスキー場があったところで、2003年に閉鎖したあと、ニッコウキスゲが見られるように草地の状態を維持・整備しているとのこと。周りは樹林帯なのにここだけ高原のように草地なのはそういうことだったのだ。

 階段を登りきると、園地内への鹿の侵入を防止するための回転扉があり、そこを出ると小丸山で多くの人が休憩したり弁当を食べている。ほとんどの人はここで折り返して元の場所に戻るようだ。考えてみれば夏休みに子供連れでこういうところに来たときは、駐車場でクルマを降りて、ああ、ここから山登りができるんだね、と入口で記念写真を撮るか、せいぜいここで言えば小丸山折り返しくらいだった。ハイキングという目的で来ると楽しみ方がこれまでとは異なることがよくわかる。

回転扉の写真

 

 日光では熊に遭遇することがままあるとのことなので、回転扉を人間界と動物界の結界とみて、ここから前日買った熊避け鈴をつける。妻は昨年スイスで買ったカウベルだ。カウベルなんかつけると熊が牛がいると思って逆に出てきて襲われないかとも思ったが、日本の熊はカウベルを付けている牛なんか知らないだろうから、2人でチリンチリン、カランコロンと言わせながら登り始める。霧降高原と言う名前だけあって、けっこう霧がかかっており、見晴らしはあまりよくないが、ところどころ開けた感じのところを通って、下から見ると丸い形の丸山山頂に到着。

開けたところの写真

 

 山頂は広く、各グループに分かれ、所々の岩に腰かけて昼食を摂っている。今回は妻が「山と食欲と私」という漫画を読んですぐに影響されワンバーナーの一種のジェットボイルという調理用器具を持ってきた。初回なので湯を沸かして、即席のワンタンスープを作る簡単メニューだ。で、妻がジェットボイル担当だったので、おにぎり、唐揚げ、卵焼きは前夜に私が全部用意した。持つのは万一離れ離れになってしまったときのために、概ね半々に分けてザックに入れた。同じように調理したり、コーヒーを淹れてる人は結構いた。

 ジェットボイルは半球型のガスボンベ(カートリッジ)にガスバーナー部をねじ込み、その上に500CC強のお湯を沸かせる円筒形の容器を載せる構造で、容器の下の部分に放熱器のようなひだひだがついている。ここからガスの炎が発する熱を効率よく吸収するので2,3分でお湯が沸く瞬間湯沸かし器のようなものだ。炎が外から見えず、わずかにバーナーの一部が赤熱していることが覗けることでしか点火に成功したことがわからないので、最初はやや不安なものだが、慣れれば「シュゴーーーッ」という燃焼音で判断できるのだろう。あと、この燃焼音は結構激しいのでどれだけバルブを開けていいのかわからず、全開にはしなかったが、全開にしてたらきっともっと短い時間で沸いたことだろう。いずれにせよ妻は初めてジェットボイルが使えて大満足だったようだ。

 八平ヶ原というクマザサが茂る平地をとおっての下山路は、ところどころ粘土質の赤土がむき出しの急斜面があり、その斜面上に靴底の形ではなくいかにも靴が滑ったスジ状の跡だけがあり、なかなか難儀であった。若い人に何度か追いつかれて道を譲り、2時過ぎくらいにレストハウスに到着、昼食を入れておよそ4時間半だった。昼食は1時間として、歩きに3時間半かかっているので、標準タイムの2時間15分より5割くらい遅い。これからすると、9時スタートで3時下山なら昼食1時間を差し引いて5時間÷1.5=3時間20分くらいの標準タイムのコースでないと行けないことになる。うーむ。前泊してスタートを早めるのは手だが。

 自宅までの帰路、宇都宮市内の渋滞で、足がつりそうになった。アイドリングストップ状態に入るにはブレーキペダルをいちばん下まで踏み込まないといけないのだがその動作で右脚太ももがつりそうになったのだ。ちょうどあった緊急停止帯状のところにクルマを入れて、ズボンの上からスプレーして休憩。ハイキングのあとこういうところに影響が出るのは危ないので、次回から下山したら整理体操をするようにしよう。

(2018/7/5)