製作記事

Nゲージ動力車の修理

投稿日:

Nゲージ動力車の修理

 2017年11月?に購入した鉄道模型Nゲージの箱根登山鉄道2000形サンモリッツ号(アレグラ塗装)セット(TOMIX品番98006)をスイス登山鉄道Nゲージ・ジオラマ製作に先立って動作確認したところ動かなかった。押しても引いても車輪をレールクリーナーで拭いても動かなかった。これはその修理レポートである。レール上に電圧は出ており、他の機関車などは動くので電源などは問題なく、箱根登山鉄道の動力車の問題と見て、分解、修理、組み立てを実施した。なお、TOMIXに修理可能か電話で問い合わせたところ、修理には数か月かかる(待ちが長い)と言われたため、自力修理とした。

Part1

 順に分解してゆく。

 ツメの場所を確認する。

 

 白いカバーを取り外すと、片方の動力台車がぽろっと取れてしまった。

 

 先頭部も、再組立て時にわからなくならないように分解したら写真を撮っておく。

 

 取り外したモーター。

 

 モーターを反対側から見たところ。モーターのボディーの右側にある丸い穴の開いた銀色の端子と、軸の向こう側に少し見えている銀色の端子に電圧を加える。ここは半田付けではなく、バネ性の金属端子での接触による電力供給となっている。

 

 赤色のミノムシクリップを介してNゲージの電源から電力を供給する。

 モーターは回転した。つまり、モーター自体は故障しておらず、正常である。

 

 いずれかの部分で電気的接触不良があると見て、再組立てする。

 

 黒色のプリント基板を載せる。

 

 中央部に半田付けされている銀色のバネ性金属2枚を、モーター側の端子にバネの圧力で接触させるという構造で、接触不良はここで起きていた。車輪からではなく黒色基板に直接電源を供給した状態でバネを起こして接触圧を高め、モーターが回転する接触のさせ方を見つける。回転するようになったら再組立てする。

 

 上写真のバネ性の金属端子をモーターに接触させている部分(拡大)。

 

 白色のカバーをするときは、2組の動力台車が卓上あるいは線路上に乗っていると、通電用のコイルバネなどが上に飛び出して作業がしずらいので、車体シャーシーの中央部を消しゴムなど支え、動力台車が浮くようにすると、力が入って作業がしやすくなる。

 白いカバーを再装着した。

 

 ここまで組み上がったら、実際に線路に乗せて動くかどうかテストする。先ほどは動いていたのに動かない。接触が微妙なのか。バラシてバネを調整して再組立てするという作業を3回ほど繰り返し、ようやく動くようになった。

 各種電気・電子製品の組み立てにおいて手半田工程は品質問題を起こしやすいためできるだけ排除したい工程である。この製品でも手半田ではなく、組み立てるだけで電気的導通が取れるバネ接触方式を採用していると思われる。しかし、本品は2017年11月に購入後、しばらく動かしたあと休眠状態で、2020年6月中旬に動かそうとしたら動かなかったわけで、保存状態も良好で、火山や温泉の近くで硫化水素濃度が高いとか、海沿いの潮風で端子の金属が錆びやすいということもない。振動・衝撃を加えたわけでもない。よって、今回の修理で一応直ったがまた動かなくなる可能性は高いと思われる。

 

Part 2

 2020年7月末に、6月中旬に修理したものを動かそうとしたら、心配したとおり動かない。これは、もうバネ接触方式は無理があると判断し、半田付けで修理することにした。

 再分解したときの接触用バネの状態はこうで、初期状態からはだいぶ変形しているようだ。

 

 裏から見たところ。

 

 モーターの端子にリード線(白色被覆の線)を半田付けし、シャーシーに嵌め込んだところ。

 

 この白色リード線を黒い基板の上面から、もともとバネ端子が半田付けされているところに半田付けした。バネ端子は不要になったので短く切断した。残念なことに半田付け後の写真は撮り忘れたため、ない。本記事作成のための再撮影は、そのための分解組立て時にツメを折ったりする恐れもあるので行わない。

(2021/1/5)