中国渡航記

北京伝統文化を体験

北京伝統文化を体験

 6年ぶりに北京に行った。10年ほど前に仕事で北京と日本を行ったり来たりしたときにできた友人と会うためだ。
 
 そのうちのひとりがどこか行きたいところはあるかと聞くので、北京の主なポイントは行ったことがあるし、国慶節休みの期間中なのでどこも人で一杯だろうから、何か北京の伝統文化を体験できるようなことはないか、例えば地面に大きな筆で字を書く(公園で老人がやっているのを見たことがある)とか、切り絵とか、餃子を作るとか、、、と適当なことを答えていた。もちろん、もしそうなったときに自分が面白いと感じるものだ。
 するとそれでよければうちで餃子を作ろう、麻雀もできるならやろう、ということであっさり決定。

北京・東三環北路

 

中国の友人宅を訪問

 当日は、朝10時にクルマで迎えに来てもらい、途中で友人の同僚女性を拾い、かなりの渋滞を含めて1時間ほどで到着。家は四環路の外側くらい、東京で言えば環八くらいに相当し北京市の中心からもそう遠くないところと言えるのではないか。
 友人の自宅は数年前に中古で購入したとのことで、外観的には日本が高度成長期に建てた公団のようなイメージで5階建て、下から階段を上がると各階両側に玄関ドアがある構造。

 中に入れてもらうと、基本的には畳の部屋がない以外は日本の洋式の構えと大差ない。玄関でスリッパに履き替えて入る。
 TVも42インチくらいの液晶テレビが置かれており、WiFiも完備とのこと。快適そうな生活空間が実現されている。

 12時に、旦那(旦那も友人)の実家に行ってお昼を食べるとのことで3人で歩き5分ほどで到着。同様の建物である。

日本の公団の雰囲気

昼食を頂く

 旦那のお父様、お母様に「歓迎北京!」と出迎えていただき、そのうち友人のお父様、お母様も到着し、旦那のお祖父様も含めて総勢8名(旦那は仕事で不在)でお昼をご馳走になった。ジャージャー麺を食べると聞いていたが、その前にたくさんの料理や北京小吃(甘いもの)が出てきて、大層もてなして頂いた。

豪華な昼食

奥:豚の煮物(紅焼肉)、鴨のロースト
真ん中:野菜、カレイ?蒸し物(清蒸多宝魚)、鶏?
手前:和風味の煮物、豆腐から作った麺

 

 

皆で乾杯!

左から2番目が私。
友人が撮ったので友人はここには写っていない。

 

 

ジャージャー麺

ジャージャー麺

 

 

北京小吃

北京小吃

奥左:アイウォーウォー(艾窩窩),奥右:チエガオ(切糕)
手前左:ペンガオ(盆糕)
手前真ん中:上から ドウシャーガオ(豆沙糕),ワンドウガオ(豌豆糕),リュードウガオ(緑豆糕),縦長のはニェンガオ(年糕)
手前右:リューダーグン(驢打滚)

 

 

麻雀をする

 麻雀は中国では麻将と書く。立派な自動麻雀卓があった。4,000元くらいしたらしい。(現在のレートでは66,000円くらい)。

自動麻雀卓

麻雀日中交流

 ルールは日本と役が違うくらいだろうと甘く見ていたら全然違った。
あまりよく理解できなかったのだが、だいたいこんなものか。なお、北方と南方ではルールが違うので、これは北方というか北京のルールである。

  • あがり役(和)は、チートイツ(七対子)、一条龍(イーテャオロン・・・一気通貫と同じ)、イーペイコウ(一盃口)くらいしかなく、特にチートイツが重要な高い役とされ、あがると2度に1度はチートイツという具合。チートイツで同じ牌を4枚持ってあがることもでき、その場合は点が倍になる。
    東南西北局を一回り(日本の半荘2回)をやったが、他の役は一気通貫を1度と一盃口を1,2度見たくらい。
    タンヤオ、チャンタ、三色同順、三暗刻、四暗刻、大三元と言った日本の麻雀にある役はない。チンイーソー(清一色)はあるが、ホンイーソー(混一色)はない。東南西北の風牌でもあがれるがそれで一翻つくというものではない。
  • ドラは、中国語ではホン(混)と呼ぶが、トランプのジョーカー相当だ。ワイルドカード。つまり、どの牌の代わりにもなる。このため、ドラを2枚、3枚と持っているとあがりの待ちが3面待ち、4面待ち、5面待ちと大きく増え、慣れないと何が出ると上がれるのかがすぐわからない。また、ドラは1枚持っていると、ロンできるが、2枚以上だとツモらないといけない。
  • 五萬を持っていると点が倍になる。
  • ポンやチーは1回しかできない。
  • ロンでも振り込んだ人だけが払うのではなく全員が払う。親は多く払う。
    今回一番高かったあがりは、チートイツに暗カンがつき、ドラが数枚あるといったもので、日本でいう満貫かハネ満くらいの感じだったか。

 日本の麻雀のようにきれいな役を作るという楽しみがあまりなく、いかに早くチートイツをドラを活用して作るか、がポイントの麻雀であったように思う。それと、捨てた牌は順に並べて捨てるのは最初の2,3枚だけで、あとはぐちゃぐちゃに捨てて行くので捨てた順番もどれを誰が捨てたかもわからず、捨てた牌で相手の手を読むということはほぼできない相談である。だいたいがチートイツでは手の読みようもないのだが。

 (2,3時間やっただけなので、間違っているかもしれない。悪しからずご了承を。)

餃子を作る

 白菜と豚肉の餃子と、海老とニラと卵の餃子、の二種類を作る。既に下ごしらえは旦那のお父様がしてくれている。

手前が皮のもと



 やらせてもらったのは餃子の皮伸ばしと、具材を包むところ。
日本で餃子を作るときは皮はスーパーで一枚一枚になっているのを買ってくるので、皮から作るのは初めて。自動麻雀卓にフタをして、その上で餃子を作る。

雀卓で餃子作り開始

 直径2cmくらいの玉状になっているものを手の平で押さえて平たくしたあと麺棒で延すのだが、これが難しい。なかなか円形にならないのだ。友人のお父様は手早く次々にきれいな円形の皮を作っては奥様二人に渡し、この二人が次々に具材を包んでゆく。

皮つくり

 私がつかんだコツとしては麺棒で手前に引っ張るように延してはいけない、円の中心に向って押すようにして延しては皮を時計回りに回転させて、また中心に向って押し延す。コツはわかったつもりでもなかなかうまくできないものである。

具材を包む

 包み方もこの家の作法があるので、それに則って行う。日本のようにヒダをつけないので、うちではこうやるんだ、とヒダ付きのを作って見せたら、それならこうだと、もっと装飾的なのを作って見せてくれたり、余った皮を2枚使って上下から包んで周囲をヒダ付きにして太陽の形にしてくれたりと、いろいろ技はあるものだ。

包み終わった!

この女性が今回の私の希望を実現してくれた強力な実行力の友人。

餃子を載せている巻き簾みたいなものは、私が来るというので新しいものを買ってくれたとのころ。
謝謝!

 

 包み終わった餃子は日本のように焼き餃子ではなく、ゆでて水餃子として頂いた。中国の飲食店で食べる餃子よりずっと美味しかった。ビールと白酒(バイジュウ)も頂き大満足!

餃子はゆであがる度に真ん中に新しいのが置かれる

白酒

日中草の根対話

 普段、生の日本人と話したことがない人が日本人に聞きたいことは?
世間話などひとしきりしたところで友人の旦那のお母様から持ち出されたのは、魚釣島。床屋でも聞かれたけれど、日本と言えば魚釣島。
 日本では尖閣列島と呼んでおり、日本では日本の領土と考えている。19××年の人民日報では日本の領土であることを認めていたのに、海底油田が見つかってから中国では中国のものと主張し始めたと説明。
 将来の叡智に任せようということになっていたではないか、という棚上げ論についても言及された。これについては最近になって頻繁に中国海監の船が領海侵犯を繰り返すので個人所有であった尖閣列島を石原東京都知事が買い上げると言いだしたため、当時の野田首相がやむなく国で買い上げることになった、というような話をし、そうか、ということで終わった。

 こちらからは、中国の歴史上もっとも優れた指導者は誰だと思うかと尋ねたところ、毛沢東がナンバー1、習近平がナンバー2とのことだった。文化大革命は問題だったのではと聞くと、それはそうだが毛沢東は何と言っても建国の父、それまでバラバラだった国を統一したからとのこと。習近平は腐敗を打倒していることで人気が高いことがわかった。毛沢東は日本に対してはよかったが、江沢民は嫌いだと言ったら中国人も嫌っている、なぜなら彼の頃に腐敗が広がったからとのことだった。

 御年90歳のお祖父様からは天皇に権限があるのかを聞かれ、天皇に政治的権限はなく日本国の象徴であると返答。また跡継ぎはいるのかなどの質問も出たので、皇太子はおり、その次までは決まっている、しかし天皇は男性であることになっているが、昔は女性天皇だった時代もあり、知識人の諮問委員会で議論されているというような説明をしたところ、誰が決めるのかと聞かれたので、最終的には国会で議論して決めると回答。

 日本と中国は国家間ではいろいろ問題もあるけれど我々大衆の間は仲良くしないといけないと思う、という所で締めくくると、その通りだ、国家は国家、我々は我々だ、ということで乾杯!

記念撮影




夕食前には友人の旦那も帰って来て、記念撮影。

 



 

(2014/10/6)
 
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