中国渡航記

上海人はケチ?

上海人はケチ?

 中国で、上海以外に住んでいる人に上海人のことをどう思うかというと、きらいだ、ケチだから、という答えが返ってくることが多い。私が尋ねた相手は北京、広州、深センだけだが。

ここに写っている人はたいてい上海人ではなく外地人 観光地だから

 以前北京でいつも泊まっていたホテルの行きつけのレストランのウェイターが上海のホテルに研修が行ったことがあり、戻ってきたときに上海はどうだった?と聞いたら「上海はきらいだ、俺のことを無視する」と言っていた。上海人はプライドが高く、上海以外の人は外地人と呼び、下に見るところがある。特に北京人は田舎者、という感覚があるようだ。

 仕事で広州に行ったときに通信関係の研究所の人たちに聞いても、やはり大きらい、ケチだからという反応だった。

 深センでもこれは同じ。香港人には、聞いたことがない。悪く言うと都会的で冷たいと言う感じが何となく共通する感じがして聞いていないのだ。

 また何か事件が起きると、あれは臨時工(主に外地人)がやったことだからというのは定番の言い訳のようだ。

上海に住んでみて

 上海へ引っ越しの項で出て来た、いま私が住んでいる家の大家さんだがこの女性は典型的な上海人という気がする。

 家賃の値引きには応じない、暗い照明はワット数を上げることでしか対応しない、そのせいで、台所と寝室には自前でLED灯を設置することになり、食卓兼仕事机にもLEDスタンドを置き、さらに食卓上の蛍光灯は9W×3個のデザイン優先のものだったので1個が切れた分は20W(白熱電球100W相当)に交換した。

 ケチというと一方的に悪いイメージだが、細かいことによく気が付くという利点はある。日本人並みである。というか大家さんは日本に住んでいたことがあり、いまでも日本にマンションを持っているとのこと。
 そのせいか、大家さんと不動産屋さんと私の3人で通りを歩いていたら、不動産屋さんは大通りでも平気で信号を無視するが、大家さんは、赤信号なんだから危ないわよ、と青になるまで待つ日本の習慣が身についている。

 また、入居日の設備の説明でも、鍵は私が新しいのに換えておいたからね。いま不動産屋さんがいないから言うけどあなたが会社行ってる間にインターネットの設置するとか言われても、絶対鍵貸しちゃだめよ。と細かく注意してくれる。

 台所の流しの下の開きの中にはピンクの花柄の洗面器が置いてあり、これ、もしも水が漏れたときのために置いてあるのよ。これまで漏れたわけじゃないけど。捨てないでよ。はい、捨てません。

 さらに、近くのスーパーの案内。アピタ(日系スーパー)があるのよ。はい、私はそれでここに決めました。アピタのカードも作った方がいいわよ。安くなるから。はい、もう作りました。

アピタの会員カード

 中国の住居は一般には土足で上がることが多いようなので、入居日までに床は掃除しておいてくれるよう不動産屋を通じて言っておいた。清掃業者を入れてくれるだろうと思っていたのだが、お金がもったいないということもあるだろうが大家さんは入居日に早くから来て全部自分でやっていくれていた。

 寝室のフローリング拭き用雑巾はここにあるから使ってね。ベランダの雑巾はこれだから使ってね、と行き届いた指示。

 ケチという先入観があった私だったが、自分できちんと掃除をしてくれるという誠意と、物を大事にする思いが伝わってきて上海人を見直したものであった。

 何事も大雑把なことが多い中国人だが、一緒に仕事をしている上海人も日本人以上によく気が付くところがあったりしてなかなかのものである。

(2015/7/30)

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