御朱印集め

御朱印集め(54) 大甕神社

御朱印集め(54) 大甕神社

 茨城県日立市大みか町に鎮座する大甕神社(おおみかじんじゃ)を訪れた。ここに来たきっかけは、新海誠監督のアニメーション映画「君の名は。」のスピンアウト小説「君の名は。」(加納新太著 角川スニーカー文庫)にこの神社名が出てくる、ということを「御朱印でめぐる茨城の神社」(「地球の歩き方」編集室著 学研プラス)で知ったからだ。

御由緒

神社のWEBサイトにて以下のように述べられている。

 當社の創祀は詳らかではありませんが、社伝によれば皇紀元年(紀元前六六〇年)とあります。鹿島・香取の二神が、服はぬ国津神・草木石類にいたるまで平定するも、唯一、甕星香々背男と称する星神を征服することができずにおりましたところ、二神に替わって大甕に赴き地主神の霊力を宿魂石に封じたのが倭文神武葉槌命であったと伝えられています。

 此の地の住民、国土開発と国家安寧に尽力された神として、大甕山上の古宮の地に祀り祭祀が行われておりました。

 時は移り、江戸期元禄八年旧暦四月九日藩命により甕星香々背男の磐座、宿魂石上に遷座されてより三百年の星霜を経て今に至ります。

 皇紀元年(紀元前660年)の創祀ということで、我が国の歴史とともに始まったとても古い神社である。御朱印巡り(2)で訪れた鹿島神宮と同じ年である。甕星香々背男と称する星神は、上の写真の由緒にも天津甕星と書かれており、御朱印巡り(6)で訪れた石井神社に登場している天甕星と同一神であろう。

 石井神社の項では、『武葉槌命(たけはつちのみこと)。日本書記などに記述があり、出雲の国譲りや常陸の国を平定した際に、武甕槌神(たけみかつちのかみ=鹿島の神)と経津主神(ふつぬしのかみ=香取の神)に従って活躍した武神で、「開拓(武運)の神」とされている。また倭文織(しずおり=機織り)を伝えていた神様でもあり、織物(芸事・芸術)の神、産業の神としても信仰されている、と書かれている。鎮座の由来は以下のように伝えられる。天つ神が豊葦原中国(とよあしはらのなかつくに=葦原中国と同じ)を平定する際に、この地方を支配していた天甕星(あめのみかほし)だけが従わず巨石となって抵抗したが、武葉槌命は巨石を蹴り飛ばして退治した。割れて飛んだ石のひとつが石井の地に落ち、天甕星の祟りを恐れて武葉槌命をお祀りしたのが石井神社である。』と述べたが、武葉槌命が倭文織(しずおり)を伝えているので、冒頭写真の標柱に大甕倭文神宮(おおみかしずじんぐう)と彫られているのだとわかる。また、「君の名は。」のストーリーの底流に流れているのが組紐であり、大彗星が地球に落下するのがクライマックスなので、まさに「君の名は。」は大甕神社の由緒からヒントを得て作られたではないだろうか。ただし小説中に出てくる宮水神社は大甕神社との関係はない、とヒロインの母親の宮水二葉に否定させているが。

御祭神

 主神  武葉槌命(たけはつちのみこと 織物の神様)

 地主神 甕星香香背男(みかぼしかがせお 星の神様)

境内

拝殿

本殿への参道

 本殿への参道は岩場で、二か所に鎖が設置されておりかなり急傾斜だ。

 この岩山全体が宿魂石で、甕星香々背男が封じられているとされる。また、この岩群は日本最古といわれるカンブリア紀(約5億年前)の地層だそうだ。

本殿

甕星香香背男社

 屋根の上部に星印(☆)がついているのは珍しいが、昔からこのような意匠だったのだろうか。

大鳥居

 冒頭写真の鳥居とは別の場所に新しく建てられたと思われる大鳥居。こちら側の方が駐車場が広い。

 建てられたばかりと思われる神門(正式名称は不明)を内側から撮影したが、まだ神社のWEBサイトの境内案内図にも載っていない。

儀式殿(社務所)

御朱印

 大甕神社

 甕星香香背男社

以上

(2023/10/10)