中国渡航記

トイレから出られない

トイレから出られない

 ウォーキングの途中に新しそうなショッピングセンターがあったので入ってみた。

     ショッピングセンター「星空広場」

 ついでにトイレに寄り個室に入った。用を済ませ出ようとするが鍵が開かない。いろいろ試したが開かず、かなり焦った。これは助けを呼ぼうか、しかしこういうときに中国語では何て言えばいいんだろうと、思いつつもう一度落ち着いて考えてみることにする。

 まずこの個室の鍵は、下の写真のようなシンプルな止め金もしくはスライド式の鍵ではないのだ。なお、このような鍵は、銀行ATMが個室式になっている場合にもついていることがある。

     スライド式の鍵の例

 ここの鍵は下の写真2枚でわかるように、大きなレバーとロック用のつまみがある、日本で言えば玄関ドアのような鍵である。

 ロックの爪が2つあって、結局つまみを左に2回転で下側の爪を解除、これでふつうはレバーを下げれば開くはずがこれだけでは開かず、さらに右に1回転で上側の爪を解除、でようやく脱出成功。

問題の鍵のレバーとつまみ  問題の鍵は爪が2か所

 こんなに複雑なら説明書きを貼っておいてほしいものだ。実際問題、日本から上海へ遊びに来た人をガイドする場合でも、女子トイレの中まではついて入れないのでもしこんなトイレに遭遇したら本当にどうしたらよいかわからなくて困るだろう。
 
 そういう意味では説明書を作ってくれるなら、中国語だけでなく、英語、日本語、韓国語くらいは必要である。

 上記の写真は、何とか脱出したときには写真どころではなかったので、後日取材に行って撮影したものだが、実際に私が出られなくなった個室は故障として使えなくなっていたので、別の階のものだ。トイレの中は薄暗いし、ドアを開けて写真を撮ったりしていると怪しまれるのであまりじっくりよい写真を撮れなかったが悪しからず了解してほしい。

 さて、ここの鍵は外観は同じだが、つまみを左2回転でレバーを押し下げるだけで開いたので、前のときのは壊れていたのかもしれないが、そんな複雑な壊れ方をするというのは理解しがたく、別の種類の鍵だったか、もともと何かの製造不良でおかしなものが取り付けられていたのかもしれない。

 この件については、たまたま深セン出張した際に、会社の女子社員に聞いてみたが、「そうですよ。たいてい3回転まわさないと開きません。」と事もなげに言われてしまった。

 なんでもありの中国である。これからもどんなトイレの鍵に遭遇するかはトイレなだけに運次第。そういうときには、一呼吸おいて、ドアの隙間からロックの状態を確認しながら、いろんな方法を落ち着いて試してほしい。日本の常識で、ロックつまみは90度しか回らないと思っていると絶対開かないので、とっち回りかは場所によるのでとにかく2回でも3回でも行き止まりまで回すこと。そしてそれでも開かなければ今度は逆回転を試すこと。

 どうしてもダメなら、ドアをドンドンたたいて、日本語でいいから大声を出して助けを求め、鍵をガチャガチャやって出られない意思表示をしよう。

(2015/12/13)

a:446 t:1 y:1