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ヨーロッパ鉄道旅行
概要
初めてヨーロッパを旅行した。以前2度ほど出張したことはあるが、大都市のごく一部を見たにすぎない。そこで今回は、私が仕事から解放されてフリーな身となっていたため、十分な準備をしてドイツ、スイス、フランスの3か国鉄道旅行を計画した。とりわけ、スイスは若い頃からのあこがれの地で、「世界の車窓から」で紹介されたスイスの登山電車は一生のうちに一度は乗りたいものだった。
これまで海外旅行と言えば近場のアジアばかりだったが、今回は妻も長い休みが取れたため11日間の旅行で、我々夫婦の海外旅行時のポリシーである「できるだけ現地の言葉を話そう」を実践するためドイツ語とフランス語を1ヶ月強ではあるが学習して行ったのでその成果とあわせてご紹介する。
事前準備
ツアーの選択
航空券の手配、宿の手配を数か国にまたがって自力で行うのは面倒でもあるし、その間の移動手段もよくわからないので、ヨーロッパ周遊タイプの旅行を8月上旬くらいからネットで探し始めた。ドイツ、スイス、フランスをほぼ同じ日程で周遊する10日間プランを発見し、空きがあるかわからないので2社に申し込んだ。両社とも東京からドイツ・フランクフルトに直行便で行き、フランス・パリから直行便で帰ってくるものである。違いは間をバスで移動するか鉄道で移動するかである。
バスの方は空きがなくキャンセル待ちとなり、鉄道の方はエールフランス航空の直行便往復のところに席がないが、エミレーツ航空ドバイ(UAE/アラブ首長国連邦)乗り継ぎ便で1日ずらせば可能という返事が来た。
直行便でも12時間余りかかるところを、ドバイまで11時間余り、乗り換えてフランクフルトまでさらに6時間余りはうーんと考えてしまったが、未知の地、中東ドバイ見たさと、金持ち国UAEの航空会社ならリッチなフライトが楽しめるのではないかとこれに決定。
日程
当初2017年10月14日羽田出発で、ドイツ3泊(ローテンブルグとミュンヘン)、スイス2泊(インターラーケンとジュネーブ)、フランス2泊(パリ)で2017年10年23日羽田帰国の日程だった。
ネット上の案内ではインターラーケンからユングフラウヨッホへ行って来られると記されていたが、それを行うには、宿泊地をよりユングフラウヨッホに近い、変更可能と記されているグリンデルワルドに変更しても日程がきつ過ぎる。そこで旅行会社に相談したところ、グリンデルワルドに変更のうえ、ここでの宿泊を1泊増やすことを提案された。憧れのスイス・グリンデルワルドを堪能するためには最低2泊は必要としてこの提案を歓迎。
また、夜23時台羽田帰国では自宅まで帰って来られないため、同じエミレーツで夕方成田着の便に変更してもらった。さらに、グリンデルワルドの宿は、アイガーの見える部屋にアップグレードしてもらい、初めてのヨーロッパの妻に花の都パリの宿がみすぼらしいといけないのでこれもアップグレードしてもらった。
ネットの旅行でも意外と融通が利くものだ。これまでのアジアの旅行では行けるか行けないかの二者しかなかったので、意外な発見である。
結局、2017年10月14日羽田出発で、ドイツ3泊(ローテンブルグ1泊とミュンヘン2泊)、スイス3泊(グリンデルワルド2泊とジュネーブ1泊)、フランス2泊(パリ)で2017年10年24日成田帰国の日程となった。
鉄道乗り継ぎ計画
鉄道はユーレイルパスというヨーロッパフリー切符のようなものを使う。今回の旅行で手配されたのはドイツ・スイス2か国5日間フレキシタイプである。フレキシタイプとは5日間は連続せずに飛び飛びで使えるという意味だ。日本のJRの青春18きっぷのような普通列車しか乗れないものでは困るので確認したが、特急タイプでもOK、ただし1等車は不可、指定席は別途購入必要、またスイスの登山電車等は範囲外(ただしユーロパスを持っていれば割引が効く)というようなものである。
スイス・ジュネーブとフランス・パリ間はTGV(指定席必須)でこの区間しか乗らないため、今回のユーロパスにフランスは入っておらず、別に座席指定付き乗車券が手配される。
ドイツ、スイスの鉄道をどう乗り継ぐかは、旅行者に任されているわけで、お任せの日本語現地添乗員付きバスツアーとは大違いである。全て自己責任で動かなければならないのでこれは大変なものだと具体的な計画を立てようとして気が付いた。妻が「ヨーロッパ鉄道時刻表 日本語解説版2017夏ダイヤ号」を買ってきたが、路線図も時刻表も文字がけし粒のように細かくシニア世代には読解不能。そこで、いまどきネット上に乗り継ぎ案内くらいあるだろうと調べたところ、ぴったりのサイトを発見。ユーレイルの公式サイトhttps://www.eurail.com/jp で日付と発着駅を入力すると乗り継ぎ列車がすべて表示されるのだ。スマホで使うためにEurail Plannerも併せてダウンロード。
これで、全日程の乗り継ぎ詳細計画を作り、遅れ時のバックアッププランも持っておく。また乗り換え時は大きなスーツケースを抱えているため10分前後での乗り換えは要注意。ユーレイル公式サイトでは発着ホームの番線案内まではなかったが、旅行社から出発1週間前に送られてきた参考時刻表、これはDB(ドイツ鉄道)サイトからプリントしたもののようで、番線表示もあった。4番線に到着して、5番線から発車の場合、同じホームの向かい側なら間に合うが、隣のホームに渡るのでは間に合わない恐れがある。これは、駅のホームページやWikipediaなどで調べた。
発着番線が飛んでいる場合は、乗り換え先列車が、指定席やこの旅の要である場合には乗り遅れられないので予め乗り換え時間に余裕も持たせておくし、そうでない場合でも次が30分か1時間後くらいには来ることを確認。
ドイツ語/フランス語会話
ドイツ語は40年以上前に大学の第二外国語として3年ほど習って以来、フランス語は全く経験ゼロである。中国語の学習経験から、やはり文法を先に理解してから会話に進んだ方がものにしやすいと考え、上記写真の左から、ドイツ語文法、ドイツ語会話、フランス語文法、フランス語会話の4冊を購入。
ドイツ語の文法は、人称格や男女、中性名詞毎の定冠詞、不定冠詞の変化等があることを知ってはいたが、というか昔は覚えたものだが、改めて勉強すると、あまりにも変化の種類が多く、規則的な変化のほかに例外的な変化などがたくさん示されており、これをまともに覚えようとするとそれだけで挫折するであろうことは1日でわかった。
因みに中国語は文法とは言っても、このような複雑な変化はなく、ほぼ単語を組み合わせるだけで文になるので積み木言語と言われているそうだ。いま考えてみると文法的には割りと楽な言語だった。
それでもとにかくCDを聴きながら3日ほどで通読し、こんなルールもあるんだな、程度で会話本へ。こちらは、わりとフレンドリーな感じで、挨拶から始めて、シーン毎の会話30日分をCD聴きながら5日で通読。毎日1時間強のウォーキング中にスマホに移してシャドーイングを行った。この本は日本語、ドイツ語の順で入っているので、わかりやすく、とにかくドイツ語で言われると同時に声を出して同じことを言うのだ。ドイツ語の発音はローマ字読みプラス若干のドイツ語発音のきまりによるものだけなので、昔3年習っただけでも聴けば大体スペルが想像できる感じで、やりやすかった。また、10年以上前に買った中国語の電子辞書の空きメモリスペースにドイツ語の辞書を入れようとしてカシオ電子辞書の独和・和独CDを購入したがうまく入らず、お客様相談室に電話で相談してもらちが明かず、結局カシオに電子辞書本体と購入した辞書CDを送付し、インストールして送り返してもらった。
次にフランス語、これはまずは発音を丁寧に解説していると言われる文法書でCDを聴きながら発音の練習。最難関は「r」の発音で、ドイツ語の巻き舌発音とも、中国語のそり舌音とも異なるようだ。restaurantは、同じスペルでも誇張して言ってみれば、英語は舌を上あごにつけずにウレストラン、ドイツ語は景気よく巻き舌でルルルレストラランって感じだが、フランス語ではラ行がカ行かハ行に聞こえるとも言われ、ホストホンとコストコンの中間な感じでうがいかいびきのようでもあるらしい。これはCDで聞いてもどうやって出すのかよくわからず、フランス語経験者に教えてもらって体得。ボンジュール=Bonjourという挨拶も、最後がrなので実は、ボンジューック(フ)のような感じ。
フランス語文法もCDを聴きながら、3日間で適当に読み飛ばし、文法の面倒くささはドイツ語同様と見切り、会話本へ。「すぐに使えるフランス語会話」は「30日で話せるドイツ語会話」に比べてわかりにくい。CDだけ聞いても日本語と1対1で対応されていないので途中でやめて、ドイツ語と同様の構成であることが期待される「30日で話せるフランス語会話」を購入して3日でCDを聴きながら通読。
このあと、ドイツ語会話30日分を1週間かけてノートにまとめ、さらにフランス語30日分は最後の方はわけがわからなくなりつつも無理やり3日でノートに丸写し。
並行して、毎日のウォーキングの際にCD1枚分約70分を聴きながらのシャドーイングを1日交替で独仏独仏と繰り返し10サイクルくらい。
時間をかけてドイツ語、フランス語を学習された方には申し訳ないが、1ヶ月で簡単な旅行会話を目指すということでこのような適当なやり方もお見逃しいただきたい。
スマホのネット接続
ドコモの海外ローミングでのネット接続は高く(1日最大2,980円)、かつ私は今年の春からネット接続は格安SIMに切り替えたので、今回の旅行では海外用の安いSIMを購入。私のスマホだけでなく妻のスマホと今回の旅行用に買ったタブレット端末でも使えるようにモバイルWiFiルータにこのSIMを入れて持って行くことにする。AIS ヨーロッパ周遊・アジア周遊 プリペイドSIM 15日 4G・4GBというものでアマゾンで3,560円。
第1日 羽田空港
搭乗便は、
EK313 羽田10/15 0:30→ドバイ10/15 6:45(フライト時間11:15)
なので、早めに家を出て羽田空港国際線ターミナルに到着後、長時間フライトに備え、むずむず脚症候群ではないかと思われる足のマッサージを受けてから遅めの夕食を摂り、エミレーツのチェックインカウンターへ。
搭乗辞退募集のペーパー
オンラインチェックインは済ませて行ったのだが、もしかして3列の席で1人空席の席があったら変えてもらえないかと思い聞いてみると、本日は満席の予定と言われ、おまけに搭乗辞退募集のペーパーを見せられた。
「本日は満席が予想されるため辞退者を募集しています。応じていただいた方にはホテル1泊と後日のための往復航空券がプレゼントされます。」という趣旨だった。アメリカのどこかの空港で飛行機に搭乗後、ダブルブッキングのために降りる人を募集したがいないため、航空会社側で指名し、その人が拒否したため無理やり引きずりおろされて怪我までしたということが今年あったが、ダブルブッキングというよりは日常的にキャンセル客を見越して多めにチケットを売っているようで驚いた。
帰国時フライトなら募集に応じてもう1日パリ見物をし、さらに往復の航空券をもらうのもいいかと思ったが、出発時に応じると計画がぶち壊しになるので当然無視。しかし改めて考えるとエミレーツはドバイがハブ空港になっており、すべての便はドバイを中心に発着しているので、もらえる航空券は東京-ドバイということになり、中途半端である。まあ、ドバイ観光も一度経験するといいかもしれないが。
搭乗便の機種は、B777-300だが、満席。座席は3-4-3配列で席の横幅が狭い感じ。以前JALではB777で3-3-3配列だったが、横9人のところを10人では狭くなるはずだ。
席は狭いが、食事は美味しく、映画もタイトルだけでも見切れないほど揃っていた。トイレは客席数に比して少なく食事後にはかなり並んでいた。
日本への台風接近の影響で空路が混み合っていたため、羽田では定刻に搭乗したものの離陸が1:38とかなり遅れてドバイ着は約20分遅れ、さらに駐機場明き待ち5分程度。
第2日 ドバイ空港~フランクフルト空港~ローテンブルク
ドバイ空港トランジットであわや
乗り換えるフライトはこれだが、この時点では乗り換えは予定では1時間40分あると思っているので特に急いではいなかった。
EK045 ドバイ10/15 8:25→フランクフルト10/15 13:15(フライト時間6:50)
搭乗締め切り時間が迫り、最後は走ってようやくA23ゲートに到着すると、すでに他の乗客は搭乗してしまったようで誰もいない。妻は先に搭乗ゲートを通過したが私の搭乗券とパスポートがゲートの端末で受け付けられず足止めに。別の係員の端末でも試すがだめ。係員が構内インカムで連絡を取り始める。もしや既に搭乗機は満席で、搭乗辞退を申し入れられるのではないかという悪夢が頭をよぎる。
出発前に旅行会社から送られて来たエミレーツのEチケットにはパスポート番号が記載されていなかったため、これでよいのか旅行会社には問い合わせをし、システム上は入力されているので心配ないとのことだったのだが、もしかして私のパスポート番号だけがエミレーツのシステム上、ドバイ-フランクフルト間では欠落していたのではないか、などと想像。最近記載がないことが増えているようだが、パスポート番号はEチケットにも搭乗券にも表示されていた方が安心感がある。
本フライトは総2階建ての巨大なエアバスA380、1階席で3-4-3配列だが座席の横幅は先ほどのボーイングB777よりかなり広く、前後間隔もゆったりし、トイレの数もたくさんあって快適だった。
航路は、ドバイを出発するとアラビア海上空からイランに入り、イラクを左に見ながらトルコに向かうという恐ろし気なルートだ。地図が拡大されたときには、先日イラク軍がISから奪還したというモスルの名前もあった。ディスプレイは座席の横幅より一回り小さいくらいの大きさがある。エミレーツは、B777でもA380でも離着陸時含めて映画の中断はなし。下方には充電用のUSBコネクタ、AC電源コンセントも備えられている。
フランクフルト空港駅はどこだ?
フランクフルト空港へは20分ほど遅れて着陸。
入国審査でパスポートを出すときに早速、グーテン・ターグ!(こんにちは!)と挨拶したら、ドイツ語を話せるのか、と聞かれ、ヤー、イッヒ レルネ ドイチュ(はい、私はドイツ語を勉強しています)と答え、フレンドリーな感じで通過。
さて、最初に乗る予定の鉄道はこれだ。
ICE629 フランクフルト空港 14:38→ヴュルツブルグHbf 16:02 (ミュンヘンHbf行き)
頭のアルファベットと数字の組み合わせは列車番号で、Eurailのサイトに記載されていたものだが、列車によりどのサイトで調べるかでアルファベット部分は異なることがある。
1時半過ぎに着陸したのでそう余裕はないが、フランクフルト空港と鉄道のフランクフルト空港駅は直結しているので間に合うだろうと思っていたのだが、駅が見つからない。駅の人に尋ねたところ、直結しているのは第1ターミナルの方で、第2ターミナルに着いた場合はバスか、モノレールのような「スカイライン」に乗って第1ターミナルまで行かないといけないのであった。これを書きながらガイドブックを見てみると確かにそう書いてあった。
エスカレータを上がりスカイラインに乗って第1ターミナルまで行き、いったん地下に下り、また上り、もう一度下に降りてようやく地上のホームに到着したときには2分遅い、14:40。よって、第2候補の列車で行くことにする。
ICE721 フランクフルト空港 15:35→ヴュルツブルグHbf 17:02 (ミュンヘンHbf行き)
Eurailのサイトで乗り継ぎを調べる場合、乗るべき列車の行き先(終点の駅名)は出てこないので、実際に駅の表示を見てホームに出るときに困らないよう、予め紙の時刻表で調べたりしておいたのだが、実は旅行会社が送ってくれたDB(ドイツ鉄道)のサイトからプリントアウトしたものには書かれていた。
なお、ミュンヘンHbfとかヴュルツブルグHbfのHbfは中央駅のことである。ひとつの都市にいくつもの駅がある場合に、〇〇中央駅と呼ぶ。
ドイツ鉄道は、非常にきっちりしている。上写真の行き先表示でも、必要な情報が漏れなく表示されている。発車時刻、列車番号、行先は当然だが、停車駅情報のほか、各車両の等級(1等車、2等車、食堂車)や、それがホームのどの位置に停まるかがA,B,C,D,E,F,Gのホームの天井からぶらさがっている表示プレートでわかるようになっている。
各列車の編成表示も詳細に示されている。これは4番線ホームの14時から24時までのものなので、現地では気がつかなかったが、恐らく他の時間帯のものは、内部でロール式に巻き上げられて表示されるようになっているものと推定される。
ヴュルツブルク駅乗り換え
定刻に到着し、次の列車はこれだ。
RB58127 ヴュルツブルグHbf 17:41→シュタイナッハ 18:28(トロイッヒリンゲン行き)
乗り換え時間は余裕の39分。
隣のホームの列車を見ると自転車積み込み用車両の表示。ドイツ鉄道の列車はたいていの車両にこのマークがある。
我々の列車が到着し、ボタンを押してドアを開ける。
荷物は適当な置き場がなく、空いていたので3-2の向かい合わせのボックスシートに置く。余談だが私のスーツケース(グレー色)は今回の移動が多い鉄道旅行のために最近の軽量タイプに買い替えて持って来たものだが、ハンドルの下のレバーを水平位置に回すとキャスターがロックされるので電車の中でも転がることがなく便利である。ところが、降りるときにロックを解除してもキャスターが回転しないことがあり、調べるとロック用のバーがゴムタイヤにめりこんでいて、コインのような硬いもので押してやらないと復帰しないちょっと残念な装備であった。
シュタイナッハ駅乗り換え
定刻18:28にシュタインナッハに到着し次の列車は、
RB58907 シュタイナッハ 18:35→ローテンブルク・オプ・デア・タウバー 18:49 (ローテンブルク・オプ・デア・タウバー行き)
だが、乗り換え時間はわずか7分。3番線に到着し、5番線から出発することはわかっていたので、ホームに降り立つと同時に既に停まっているあの列車に違いないと駆け出す。地下道から隣のホームに向かう。階段の脇にベルトコンベアがあって荷物を載せると動くようになっているようなのだが、載せている人がうまくいかずに格闘しているので、スーツケースを持って階段を降りる。階段を上がるときには誰もいなかったので、載せるとうまく動き出しスーツケースに手を添えながら楽にホームへ。
余裕で着いたので、行き先表示板の写真を撮り、列車に乗り込む。席に座ったあと、妻があれっ?これは5番線でなく1番線だと気が付き、急いで飛び降り、またコンベアに荷物を載せ階段を降りると、地下通路はこれから乗ろうとしている列車から降りて来た人で混雑しており、これをかき分け、またコンベアに荷物を載せて階段を上る。コンベアの動きは遅いが、荷物が大きくて重いので私はともかく妻にとってはその方が早くて楽なのでこれは仕方がない。ぎりぎり1分前くらいで何とか間に合う。
シュタインナッハからローテンブルグ・オプ・デア・タウバーまでは路線図上、盲腸のような行き止まりの支線だったので、てっきりこの間だけで折り返し運転する列車をイメージしていたので、シュタインナッハのホームに降り立つともうそこにいた列車がこれに違いないと思い込んでしまったのだ。また、1番線も5番線も端っこのホームなので間違えてしまった。
地下通路の行き先表示器の案内を確かめればよかったのにそれもしなかった。
さっき、ホームに上がって行先表示器の写真を撮っていたのは何だったのか。内容を確かめずにただ記録で撮っただけとはやはり焦っていたのだ。正しい列車の行き先表示器の写真は撮れず、残念。
動き出すと日が暮れ、ローテンブルク(駅名は長いので短縮)に到着。
ローテンブルクの駅から
駅からホテルまでは地図上で700mくらいだったが、荷物が大きいのと暗くなったのとでタクシーに乗りたいがタクシーがいない。そもそもほとんどこの列車から降りた観光客がほとんどおらず、家族がクルマで迎えに来たような人が少し居ただけである。翌日街の中には観光客が大勢いたので、たいていの人はバスで来るようだ。
駅前ロータリーを一周しても明確にタクシー乗り場と思えるところはなく、それらしいところに立ちホテルに電話をするが、通じない。そうだ、ホテルの電話番号は、+49-9861-xxxx と書かれていたのでドイツの国番号の49を外したら9861の前にゼロをつけなければと気が付き、掛け直そうとしたところでタクシーがやって来た。10分ほどで着いたが、これは歩かなくてよかったという距離だった。
アイゼンフートホテル
これはローテンブルクで一番の中世の雰囲気を今に伝える由緒あるホテルである。
上右写真はホテル内のレストランで、ここで夕食を摂った。コース料理と、ドイツなのでまずはビールを、ワインは料理に合わせたものが順に3種類出てくるというコースを注文した。
まずビールを飲みながらパンをかじる(パンはこのあとも全旅程で無料で出て来た)。
写真左がサービスの一品で何かのレバーのテリーヌ?(鴨つくしで鴨かも)
写真右が前菜で鴨肉のなんだったか(野菜に隠れて見えない)。周囲のものはあんずか何かの果物。
鴨肉のステーキ。
まるいのはクネーデル(ジャガイモと小麦粉を混ぜたもので独特のねっとりとした食感)。
デザート 。
最初に出て来たものが前菜だと思い、各料理に合わせてワインが出ると言われたのに来ないので、ワイン来ませんと言ったら、これは前菜ではなくサービスの一品とのことであった。それで前菜はボリューム満点の鴨料理で、白ワインがなみなみとグラスに注がれた。
シェアして食べるのではなく、1人1皿なので、シニアの我々にはここまででかなりお腹が膨れ、メインの鴨肉ステーキと赤ワインで完全に満腹。
デザートにデザートワインで降参、でも何とか食べ切る。
前菜を食べているところで、どうか?と尋ねるので、「エス イスト グート」(美味しいです)と答え、メインでもまた尋ねられ、少し変化をつけ「エス シュメクト グート」(よい味がします)と答えられたのは事前学習の成果である。「エントシュルディグン、 ツァーレン ビッテ」(すみません、お勘定お願いします)も初使用。
第3日 ローテンブルク~ミュンヘン
ローテンブルク観光開始
ホテルを出て、1分も歩かないうちに1年中クリスマス用品を販売している店がある。ここはあらゆるクリスマス用品が美しく陳列されており、楽しい空間だ。間口の狭さに比べて奥が深く、階段で下がったり。クリスマスの雪の山村を小さな電車がぐるぐるとトンネルから出たり入ったりするようなジオラマ風飾りものは、一瞬衝動買いしそうになったが電源電圧が合わないと考え思いとどまった。しかし、もしAC100V~240V対応のACアダプタ方式だったら日本でも使えたので、確認してみるべきだった。因みに日本はAC100V、ドイツはAC230Vだ。
妻がここで時間を使い過ぎないよう、ざっと一周して何があるかを大づかみしたらお土産は後で買いに戻ってくることにしようと尻をたたく。
市庁舎の塔
ローテンブルクでどれか一つだけ中に入るなら、ここがイチ押し。
入口は塔の真下から少し離れたところにある、「Rathaus(市庁舎)」と記されたシンプルな看板のところ。階段を上がり、ガランとした広間を斜め左に突っ切ると塔に登る階段の前に、改札口風ゲートがある。緑ランプでGO、赤ランプでSTOP。安全上、同時に20人以上が塔に上がらないようにコントロールしているとのことで、妻が先に通ったが20人の制限で私と泣き別れにならなくてよかった。なにせ、中国入国審査での妻との泣き別れがトラウマになっているので。(→妻来るも中国入国不可の項を参照)
高所恐怖症、閉所恐怖症の人にはお勧めできないが、高所恐怖症の私は好奇心の方が勝って上まで行って、無事降りてくることができた。めでたしめでたし。
降りてしばらく歩いたところにあった、あまり土産物屋らしくないお店で孫へのおもちゃと爪切りを買う。子供の頃に家にあった爪切りがドイツ・ゾーリンゲン製だったので、爪切りといえばゾーリンゲンという刷り込みがあったのだが、そこにあった爪切りがまさにゾーリンゲンだった。ヤットコ型のをいくつか見せてもらい、ヴィ フィール コステット ダス?(これ、いくらですか?)を連発して、いちばん刃先が長い足の親指の爪も切りやすそうなものをゲット。ところが、旅行中に手の親指を切ろうとして早速使ってみたのだが、すごく力を入れないと切れず、やむを得ず一度に爪全体を切らず、2,3回に分けて切ることになってしまった。帰国後自宅にあった多分日本製のものと比べるとこの方がやわらかくよく切れた。刃先の長さがやや短いという違いはあるのだが、日本製の方がよく切れるのは日本人としては嬉しいが、せっかく本場ゾーリンゲンのものを買ったのにこれが切れないのでは残念である。
城壁
パン屋でサンドイッチのようなものと飲み物を買ってからホテルに戻り、12:30に呼んでもらっていたタクシーに乗って駅へ。
ローテンブルク駅でランチ
若い女性ドライバーの豪華な内装のベンツのタクシーで、すぐに駅に着く。列車は、
RB58896 ローテンブルク・オプ・デア・タウバー 13:09 →シュタイナッハ 13:23(シュタイナッハ行き)
で、出発まで30分近くあるので駅のベンチに腰掛け、停車中の貨物列車を見ながら先ほど買ったパンで昼食にする。
シュタイナッハ乗り換え
この辺りはとても田舎ないい感じである。山の方から片やカーブを描いてやって来た、片や真っ直ぐにやって来た二路線の線路が線路の手前のポイントで合流している何という美しい風景だろう。
次に乗る列車は、いま左側のホームに入線してきたのと同じような形の車両だ。6分の待ち合わせで降りたホームの反対側で乗り換えは簡単。
RB58117 シュタイナッハ 13:29→トロイッヒリンゲン 14:29 (トロイッヒリンゲン行き)
車窓から見える景色はずっとこんな感じ。
トロイッヒリンゲン駅乗り換え
定刻にトロイッヒリンゲンに到着。乗り換え時間は5分だが、到着ホームの7番線と出発ホームの6番線は、準備段階で調べたところ、駅の構内図はないもののホーム長が双方ともに281mで同じ長さのため、隣接ホームではなく、同じホームの反対側ということがわかっていた。余裕で乗り換え。
RE57313 トロイッヒリンゲン 14:34→ミュンヘンHbf 16:21(ミュンヘンHbf行き)
列車のトイレは広くて快適。円弧状のドアはボタンを押すと自動で開閉する。
ミュンヘン中央駅到着
定刻で到着。ミュンヘンHbfは、大都市の中央駅らしく、線路が櫛の歯状になる終着駅形式だ。
オーストリア国内の切符を購入
次に鉄道に乗るのは明後日だが、明後日はスイスに入り、グリンデルワルドまで行くこの鉄道旅行の要となるところだ。まずはミュンヘンからスイスのチューリッヒまでの国際列車に乗るのだが、この間、オーストリア国内を通過するという問題がある。なぜ問題かというと、今回利用しているユーレイルパスは、ドイツ・スイス2か国版でオーストリアは入っていない。そこでオーストリア国内通過部分は予め別に乗車券を購入しておく必要があるのだ。車内で購入するのは、ユーレイルパスの不正利用とみなされて罰金を徴収されたりすることがあるとのことでご法度である。つまり、検札がもし廻って来なかったらその部分は買わずに済ませようという魂胆だったと見做されるかもしれないということだろう。
ミュンヘンHbf(ドイツ)→・・・→リンダウHbf(ドイツ)/リンダウHbf(オーストリア)→ブレゲンツ(オーストリア)→セント・マルガレーテン(オーストリア)/セント・マルガレーテン(スイス)→・・・→チューリッヒ(スイス)
という駅順になるのでオーストリア国内を含むリンダウ(ドイツ)からセント・マルガレーテン(スイス)の乗車券を買う必要があるのだ。
当日の朝買うのでは早すぎて窓口が開いてないか並んでいて間に合わない、ということがあるかもしれないし、明日バスツアーから戻って来た後に買うのでは窓口が閉まっているかもしれない、ということで今買うのが必須である。
そこでまずは切符売場を探す。線路の終端部分から1分も歩くと観光案内所のようなところを発見。
番号札を取って窓口から呼ばれるのを待つ、というようなことを何かの本で読んでいたので、真ん中のブースに行って切符を買いたいと英語で言うと、一番左側の窓口が英語が喋れるのでそこへ行けとのこと(上写真、赤いネクタイの男性のいる窓口)。ちょうど一組だけが何かを相談しており、10分ほど待ち我々の順番に。ユーレイルパスと乗り継ぎ列車をプリントした紙を見せながら英語で用件を伝えると、座席指定はいりませんか?と確認だけされ、あっさり何の問題もなく発券してくれた。日付指定なくいつでも使えるとのこと。
首尾よく切符をゲットできたので、なるべく歩きスマホにならないように気を付けつつ、スマホの地図を見ながらホテルに向かう。大通りの横断が地下通路経由なので、エスカレータで降りると大きな地下街になっており、この辺かと見当をつけてあがったところは大通りの島のトラム(路面電車)乗り場、再び降りてもう一つ先のエスカレータで上がり直す。それでも駅から10分ほどでホテル・ダニエルに到着。
ホテル・ダニエル
このホテルはチェックインしてからが大変だった。エレベータはすぐそこと言われたのだが、ない。この開きドアみたいなの(下写真左)は違うよね、と何度も行き過ぎたが、他にはないのでこのドアを引き開けるとそこにはエレベータの箱が来ていた(下写真中は、別の時に撮ったもの)。降りるときは内扉がスライドして開いたあと、外扉を自力で押し開けなければならない。
さらにようやく部屋の前までたどり着いたが部屋の鍵が開かない。カードキーではなく金属の鍵を鍵穴に差し込んで右にくるぐると2回転ほどしたところで引き開けようとするが開かない。このドアは外見からして、どう見ても外開き、内開きではない。ましてスライド式のドアではない。いろいろ試しても開かないので妻がフロントに聞きに降りる。フロントの女性はあまり英語が達者ではないらしく、プッシュ!とだけ言われたとのこと。
そうか、メモリーカード(SDカードなど)は取り出すときに一回押すと、飛び出てくる、あれと似たような仕組みかな、と考えて、鍵を右に回し切った状態でグイっと体重をかけてドアを押すと、フワッとドアが手前に浮いた感じがしてそのまま引き開けることができた。
エレベータもそうだが、なかなかドイツ、一筋縄では行かない。
シュナイダー・ブロイハウス(ビアホール)
夕食は最初からビアホールに決めていた。カールス門をくぐり、マリエン広場を通ってしばらくのところにあるシュナイダー・ブロイハウスへ。
カールス門。
マリエン広場の新市庁舎。
シュナイダー・ブロイハウス
いかにもビアホールらしい料理を注文。ビールは種類がありすぎてわからないのでお店の人が言うのにしたらこれが来た。
実は、最初のビールは特に美味しいというほどではなく周囲の人が飲んでいるのは美味しそうに見えていた。同じのをください、という言い方がドイツ語会話の本にあったので、ノートを出してその言い方を確認して、係りの人に隣のテーブルのほしいものを指差して「ダッセルベ、ビッテ」とお願いする。これ?、あれ?と指さしてくれるので、あれ、の方で「ヤー」(はい)と答えて持って来てもらったのがこれ。ブラウンな輝き、濃いめの味で実にうまかった。
隣のおじさんが指サインで、それ、うまいだろう!さっきのはありゃだめだ!と言ってきた。
あとで、ビールのメニューを出して、これはどれかと係りの人に聞いたらTAP1~7,11などの種類があるなかで、Schneider Weisse TAP7 Mein Original というものだった。
店の入り口近くではミニ楽団はビアホールらしい音楽を演奏、妻がこの雰囲気をいたく気に入っていた。
第4日 ヴィース教会~ノイシュヴァンシュタイン城
ルードヴィッヒ2世が1869年に起工したが、1886年謎の死により完成しなかったという、それでも美しいロマンチック街道の終点(最も南)に近い位置にあるノイシュヴァンシュタイン城、ここは自力で行くとフュッセンまで鉄道、そこから先は路線バスでやや難度が高そうなので、日本語ガイド付きのバスツアーを予めオプショナルツアーとして申し込んでおいた。
舌を噛みそうなこの城の名前は、ドイツ語ではSchloss Neuschwansteinで、Schlossはシュロスで城か宮殿か大邸宅ということで日本語の「しろ」と音の頭が同じなのでわかりやすい。Neuは英語でNew、schwanは英語でswan、steinは英語でstoneと分解すればわかりやすくなる。なのでここで販売している土産物にはスワン(白鳥)の紋様が付いているものが多い。
バスツアー集合
バスツアーの集合は、7:15にミュンヘン中央駅のアルヌルフ通り側のYORMA’Sというマートの前に集合。幸い朝食は6:30開始だったのでさっと食べてから向かう。それらしいプラカードを捧げた日本人ガイドさんのところに集合。
ヨーロッパはトイレが少ないとさんざん脅かされていたので、あるうちに行っておこうとガイドさんに尋ねると地下の有料トイレを紹介され早速行ってみた。
1ユーロを入口の券売機?に投入して入場する。このとき0.5ユーロのこの辺りの商店街で使えるバウチャーを受け取る。用を済ませると手洗い用の泡と紙ナプキンが自動で出てくる。
日本人ばかり20数名が全員集まり、家族連れやカップル、友人同士、単身参加などさまざま。バスが動き始めるとまずはお決まりの挨拶。ガイドさんから、「今日の運転手さんは、Nさんです。私たちはよくペアを組んでいますが、日本語が上手です。ではNさんに皆さんで挨拶しましょう。おはようございます!」。なんかちょっとへん。ガイドさんが今日の参加者にあいさつするのが最初でしょ、でも運転手さんに皆で挨拶しておしまい。
Nさんは、65~70歳くらいのちょっと気難しいタイプのようでガイドさんは結構気を遣っているようだった。運転手さんに気分を損ねられると我々参加者にも不利益があるかもしれないからまあいいかと。ガイドさんによるとバスのトイレも運転手さんによって使わせてくれる人とくれない人がいるとのことで、「今日の運転手のNさんは使ってもよいと言ってくれています。それから水も観光地で買うと結構高いけれど、Nさんが水を持ってきてくれていて、1ユーロです。バスの中は散らかしてバスを汚すので食べ物禁止のことも多いのですが、今日はNさんはOKと言っています。前にどこかの団体がコーヒーをぶちまけてバスを汚して以来、飲み物も禁止のこともあるんですよ。」とのこと。ガイドさんは快活だけれとも少しそそっかしいところもあるようで、ちょうどNHK 2017夏の朝の連ドラ「ひよっこ」の愛子さんの感じ。運転手さんに気を遣うあまりお客さんへの挨拶は忘れてしまったみたいで、まあ色々大変なんだろうなあと。
ヴィース教会
2時間ほど走り、ヴィース教会に到着。喉が渇いてきたので、せっかくだから先ほど案内があった水をもらおうとガイドさんにお願いすると、運転手さんがフュッセンに着くまでは水は出さない、と言ってるとのことで、ガイドさんも「喉が渇いたときに水をくれないんじゃ意味がないわよねぇ。運転手さんは自分の考えがあって頑固でお客様第一という考えではないんです。」とフォローしてくれるが、水は外の売店で買うことにする。せっかく買ってあげようと思ったのにね。
あたかもドーム状の天井に描かれた画のようだが、絵画の技法でそのように見せており、実際には平らな天井だとのこと。
また、観光客がうるさいと神父さんにここは礼拝の場なので静かにするようにと注意されるとのことで、ガイドさんも以前説明がツアー客に行き渡るように大きな声を出していたら神父さんに注意されて穴があったら入りたい心境だったそうだ。確かに元々ここがどういう場なのか我々参加者も認識しないといけないということだが、ガイドさんもドイツの人に色々気を遣うあまりにお客様第一になっていないところが出てきてしまつたのだろう。
教会を出て売店のトイレで用を足し水を買う。駅のキオスクほどの小さな店だったのだが、パズラーの妻はそこでノイシュヴァンシュタイン城のジグソーパズルを見つけて早速買っていた。ノイシュヴァンシュタイン城へはこれからいくんだから本家で買えばいいと思うのだが、見つけたところで買ってしまわないと後悔するかもしれないというのが妻の考えである。
ノイシュヴァンシュタイン城
ノイシュヴァンシュタイン城は山の中腹にあるが、観光バスは麓の駐車場までしか入れず、ガイドさんはそのまた手前のチケット売り場で先に下車する。免税店でトイレに行く人は行って買い物をするなりして〇 時〇分まで待っていてくださいとのこと。しばらくしてガイドさんが戻ってくると12時ちようどのチケットが取れたとのことで、上に上がるバスを早く乗れるよう交渉してくるとのこと。歩いて登ると1.5Kmあるようで、ツアーではなく自力でここまで来た場合にはこの辺りのシステムがどうなっているのかわからず難しいところだ。チケット売り場でバスの出る場所を示した地図をくれるようになっているのかもしれないが。
バスの中で、チケットは12:00から入場可で12:05までに入らないと無効になり新たに券を買い直さないといけないので時間厳守するように説明がある。切符には448番のツアーで12:00入場と明記されているが、12:05までに入れとは書かれていない。
マリエンヌ橋のところで一旦バスを降り、マリエンヌ橋から望む湖とホーエンシュヴァンガウ城をバックにノイシュヴァンシュタイン城の写真を撮り、再びバスに乗り城の近くで降りて歩く。
下写真はルードヴィッヒ2世の父マクシミリアン2世が再建したという ホーエンシュヴァンガウ城。この辺りはちょうど一番紅葉がきれいな季節だった。これはCanonのSX430iSという光学45倍ズームのコンパクトデジタルカメラで撮った写真だが、遠くを撮るときと落とさないように片手で撮るときには役に立ったが、それ以外はiPhone7plusで撮った方がくっきりきれいに撮れたというやや残念な買い物であった。
城の入り口についたところであと40分ほどあったので昼食を摂る。ガイさんのアドバイスにより時間がかかりそうなレストランではなく、ファストフードで済ませることに。すぐに売店に向かい看板メニューと思われるバイエルンバーガーとコーヒーをドイツ語で注文する。結構作るのに時間がかかり、その間に行列ができてしまったがちょうど昼になる前のいいタイミングだった。食べ終わると間もなく時間になり入場ゲートへ。
ここでは完全に5分間隔でグループごとに入場させており、入り口で音声ガイドを受け取る。コードレスホンの子機か以前のPHSのような大きさでイヤホンではなく直接耳に押し当ててガイドを聴くタイプ。一時に流すガイドは一言語のようで日本人グループ、中国人グループ、韓国人グループなどと国別に分けて入場させるようになっている。入場券にも音声は日本語と明記されている。
広い館内を部屋ごとにガイドを聴きながら巡り最後のお土産物屋で結構な買い物をした。館内の写真は撮影禁止のためなし。
これはノイシュヴァンシュタイン城を直下から見上げたところだが、子供の頃に読んだ「リボンの騎士」はこんな塔に閉じ込められていたイメージだ。
リンダーホフ城
リンダーホフ城は、昨年より早く既に冬時間になってしまったということだったが、冬時間というよりは夏の観光シーズンを終えて冬支度の掃除や工事をしていた。なので庭園や噴水はまともに見られる状態ではなかった。天気が良くて暖かく紅葉も美しい季節だったので、例年どおり冬時間になってから、あるいは落葉してから冬支度をしてほしかった。やはりドイツの人はお客様が第一的な考えはあまりないのかもしれない。よって掃除中のスナップをどうぞ。
館内は普通に見られた。ルードイッヒ二世は一生独身だったとのことだが愛人二人の肖像画が掛けられており、独身なのに愛人とは言わないよなあ、と疑問を呈したら妻によればお父さんの愛人ではないかとのことだが、いずれにせよ愛人の肖像画が堂々と掲げられているのはそういう時代だったということか。いや、いくら何でも妻の前で愛人の肖像画を飾ることはないだろうから後世の人が掲げたものか。
シュナイダーブロイハウス(ビアホール)
ミュンヘンの夜はやはりビアホール。美味いビールの種類がわかった昨夜と同じシュナイダーブロイハウスに行く。ビールはもちろんTAP7。
ところで、このホテルに置かれている水は炭酸水なので、ふつうに飲むには適さない。それで朝出る前に、Bitte! Ich möchte ein Wasser (ohne Gas) (すみません!ガスの入っていない水がほしいのですが。)と書置きを置いておいたら、Tut mir Leid ich habe nur mit Gas.(誠に申し訳ありませんが、ガスなしはありません、と返事が書き置かれていた。
第5日 ミュンヘン~グリンデルワルド
今日はいよいよスイスに入る、本鉄道旅行の要である。指定席を確保している景色の良いゴールデンパスラインに計画どおり乗れるかどうかに今回の旅の成否がかかっていると言っても過言ではない。目的地のグリンデルワルドまでは4路線の乗り継ぎになる。朝早いチューリッヒまでの直通国際列車に乗るためホテルの朝食は食べずに出発。ミュンヘン中央駅の櫛の歯の付け根の部分には洒落たパン屋がいくつもあるが、結局前日の待ち合わせ場所のところにあったYORMA’Sマートでサンドイッチと飲み物を買う。
ミュンヘン中央駅~チューリッヒ駅
EC196 ミュンヘンHbf 07:17→チューリッヒHB 11:53(チューリッヒHB行き)
細かい違いだが同じ中央駅でもドイツではHbf、スイスではHBと呼び方が異なる。
列車に乗り込み適当なところに席を取る。ところがしばらくして若い男性が来て何か言う。どうやらここは自分の席だと言ってるようで、窓の付近に枠にReserviert のような札が挟まれている。妻から、予約された席にはこういう札が挟まれるって書いてあったよ、と言われる。ふーむ、そうだったか。
それで荷物が置きやすそうな一番端の席に移る。妻の(淡いグリーンの)はドアのそばの荷物置き場に置き、私のはこれ以上置くと通行の邪魔になりそうなので網棚に上げる。
走り出してサンドイッチをほうばっていると車掌さんが回って来た。ユーレイルパスを見せると、オーストリア区間の切符は?と聞かれたので、待ってましたと一昨日購入した切符を見せる。
因みにユーレイルパスは、利用日欄には必ず乗車前に乗車月日を記入しておかなければならず未記入もしくは記載を訂正した場合には不正と見做されて罰金を徴収されることがあると利用の注意書きに書かれており、不慮の日程遅延に備えて乗車日の朝に記入していたが、日本とは月日を書く順が逆なのでうっかり書き間違えないように細心の注意が必要だった。因みに万一書き損なった場合には訂正せずにその欄は捨てて次の欄に新たに書き直すようにとのことだ。一回書き損なうと5日間のパスの場合4日間しか利用できなくなるという厳格なものである。下部のトラベルダイアリーの部分も乗車毎に乗車前に記入するようにとのことだが、旅行会社によるとこの部分はそう厳格ではなく乗り換えがある場合に出発地から最終目的地までという書き方をしてもかまわないとのことだった。ドイツではトラベルダイアリー欄を確認されたことは一度もなかつた。
車掌さんは、この路線の時刻などが記載された小冊子をくれたが、各駅での乗り換え案内を含む非常に詳細なものだった。さすがドイツ、国民性なのか、聞かれなくても詳細情報が満載になっている。
ドイツの車窓はこういうのんびりした景色が多くて癒される。
オーストリアに入ったときも、スイスに入ったときも出国審査、入国審査というものは全くなくリラックスできた。EU脱退を決定したイギリスとフランス間のドーバー海峡をトンネルで横断する列車ではそうはいかなくなってしまうのだろうか。
ドイツ-スイス国境のリンダウ中央駅(写真上左)とオーストリア-スイス国境のセント・マルガレーテン駅(写真上右)。国境の駅は国ごとに別々に駅があるのではなく、ひとつの駅で兼用されている。
定刻にチューリッヒに到着。結局、ドイツ鉄道は7列車に乗ったがどれも1分足りとも遅れることがなく正確だった。毎日のようにどこかで遅れや運転見合わせが発生している日本の鉄道会社はドイツ鉄道に研修に行った方がよいのではないか。日本の鉄道の時刻が正確だと言われていたのはいったいいつの日のことだったろう。
チューリッヒ中央駅~ルツェルン駅
チューリッヒでは、乗換案内に出てきた待ち合わせ時間は11分と余裕がなかったので次の列車で42分待ちとする。 14番線到着で4番線出発。乗り換え地下通路脇の売店でパンとポテトグラタンのようなものと飲み物を買う。ここ(スイス)での行き先表示板には、列車番号の表示がない。列車は総2階建ての堂々としたものである。
IR2647 チューリッヒHB 12:35→ルツェルン 13:25(ルツェルン行き)
ルツェルン駅~インターラーケン・オスト駅
本鉄道旅行の要、ゴールデンパスラインだ。乗り換え時間は40分。
IR2928 ルツェルン 14:05→インターラーケン・オスト 15:55 (インターラーケン・オスト行き)
この列車は指定席券にPanolamaと記されていたので期待していたが、普通の窓の上の天井に近いところにもう1枚窓がある、まさしくパノラマカーだった。窓枠には、各座席番号ごとに液晶表示器が埋め込まれており、座席指定が予約されている場合には、Reserviert Luzern-Interlken ost (予約済み ルツェルン-インターラーケン・オスト)のような表示が点灯する。
この列車では荷物置き場を確保することができ、席からは見えないところだったので、念のため持参した盗難防止チェーンでロックをかけた。
この路線はその名前にたがわず、全線にわたりほれぼれするような景色が続いた。
インターラーケン・オスト駅~グリンデルワルド駅
定刻にインターラーケン・オスト駅に到着。乗り換え時間は10分だが、地下通路へは階段ではなくなだらかなスロープになっていて移動しやすかった。また、グリンデルワルドへは、ユーレイルパスの適用外であることが大きな看板に書かれていた。ここまでの幹線とは違う登山電車的な扱いになるのだろうか。BOB鉄道(Berner Oberland-Bahn)である。
R275 インターラーケン・オスト 16:05 →グリンデルワルド 16:39(グリンデルワルド行き)
この電車はなかなかカッコいい。いよいよアイガーの山麓へ踏み入れるのだという期待が高まる。
途中の車両基地。新旧型の車両が並んでいる。
定刻にグリンデルワルド駅に到着。山並みが迫ってくる。改札口がなく、グリンデルワルドの街並みと地続きなので、まさに山懐に直付けした感じ。
クライネシャイデック行きの時刻表示があり、明日への期待に胸が高鳴る。
クライネシャイデックから降りて来た電車が到着。
日本語観光案内所
駅からまっすぐ歩いてすぐの左側に日本語観光案内所があり、ここで翌日アイガーグレッチャーからクライネシャイデックへのハイキングができるか(雪がないか)とか、ロープウェーの最終発車時刻を確認するつもりで相談に入った。単なる案内所かと思ったら、登山電車の切符(これはユーレイルパスの範囲外だが25%の割引が効く)とロープウェーの切符が全てここで発券してもらえたので時間の節約とともに翌日、翌々日の計画が確定してよかった。
写真下左は、グリンデルワルドからクライネシャイデックまでの上り登山鉄道WAB、クライネシャイデッキからユングフラウヨッホまでの上り登山鉄道JB、ユングフラウヨッホからアイガーグレッチャーまでの下り登山鉄道JBの通しの切符。1人117.20CHF。S75は、25%割引の意味。
写真下右は、クライネシャイデックからヴェンゲンまでの下り登山鉄道WABの切符。1人18.00CHF。
これらをバラバラに買うのは非常に面倒くさかったと思うが、まとめて買えて助かった。
さらにヴェンゲンからメンリッヒェンまでの上りロープウェーLWM、メンリッヒェンからグリンデルワルド・グルンドまでの下りロープウェーGGM、グリンデルワルド・グルンドからグリンデルワルドまでの登山鉄道WABの切符も通しで発行してもらえた。これはA4普通紙にプリンタで印刷されたもので、端っこにバーコードがついており、これを改札口のバーコードスキャナーに読ませるようになっている。割引後、1人43.00CHF。割引率は明示されていないが、やはり25%だったと思う。
また、翌々日用のグリンデルワルドからフィルストへの往復ロープウェー(First Bahn)の切符も同様のA4普通紙バーコード付きタイプで発行してもらえた。割引後1人45.00CHF。なお、1CHF(スイスフラン)は、当時約115円。
ホテル・アイガー・セルフネス
グーテンターク!イッヒ ビン 〇〇〇〇(こんにちは!私は〇〇〇〇です)、とドイツ語でチェックインしたので、フロントの女性もホテル内の施設の案内はドイツ語でしましょうか、英語でしましょうか、と気を利かせて尋ねてくれた。そこまで聞き取れる力はないので英語で説明をしてもらう。
ここのホテルのエレベータもミュンヘンと同じで、ドアを引き開けて乗るタイプ。箱側の内側ドアはないので、決してドア側に近づいてはいけない。
アイガービューの部屋にアップグレードしてもらっていたので、まずはベランダに出て眼前のアイガーを確かめる。右奥の雪山がアイガー。その一番右側の雪があまりなく黒いところが北壁だ。
夕食はホテルの山小屋風のレストラン「Barrys」。暗いので、スマホの懐中電灯機能で照らしてよくわからないメニューを解読しチーズフォンデュを注文。ハムなどのコールドプレートも取り、2人で食べると塩分過多な感じではあったが、スイスの山小屋のような雰囲気のところでチーズフォンデュを食べる、というひとつのイメージが実現して満足だった。
第6日 ユングフラウヨッホ/メンリッヒェン
登山電車の始発(7:17)に乗るために朝食(7時開始)が食べられず、湯沸ポットがないのでコーヒーメーカーの出がらしカセットのままで出したお湯で、持参したフリーズドライ雑炊とカップ麺を食べて出発。
グリンデルワルド駅~クライネシャイデック駅
WAB鉄道(WENGERNALPBAHN)の緑と黄色の可愛い登山電車に乗る。ここからは2本のレールの真ん中に敷設されたラックレールに電車側の歯車を噛み合わせて走るラック式鉄道である。
RE437 グリンデルワルド 07:17→クライネシャイデック 07:50(クライネシャイデック行き)
電車の中はすっきりとした美しいデザイン。乗客は我々が一番乗りだったので、まだあまり乗っていない。出発後、一旦谷あいのグリンデルワルド・グルンドまで下り、そこでスイッチバックしてクライネシャイデックに向かうため、最初は進行方向に対して後ろ向けにアイガーが見えない側に座る。
クライネシャイデック駅~ユングフラウヨッホ駅
クライネシャイデックのJB鉄道(JUNGFRAUBAHN)の赤い電車に乗り換える。
RE537 クライネシャイデック 08:00→ユングフラウヨッホ 08:35(ユングフラウヨッホ行き)
しばらく走るとトンネルに入り、アイガー、メンヒの岩盤の中をユングフラウヨッホ目指して登り続ける。途中のアイスメア駅で5分停車があり、駅の展望窓から外が望める。実は、登山電車に乗っている間はてっきりユングフラウの山の内部を進んでいるとばかり思っていたので、アイスメア駅から見える景色はぼーっとしか見なかったのだが、旅行記を書く段になって絵地図をよく見るとアイスメア駅はアイガーの内部にあったのだ。よって、下写真右の駅の展望窓から見える正面左手の山はユングフラウだったのかもしれない。
ユングフラウヨッホ
ユングフラウ(4,158m)は、上写真の真ん中の頂。黒い岩肌の見えている山の3つの頂のうち左端の頂だ。恥ずかしい話だが、ユングフラウのてっぺんに登るのだからユングフラウの形はよくわからないのではないかと登る前は思っており、でもそのうちユングフラウヨッホは頂上から少し降りた鞍部だとわかってきたのだが、実際にスフィンクス展望台に上がっても絶景に目を奪われるばかりでどれがユングフラウなのかわからなかったのだ。公式パンフレットのイラストを見ても、ユングフラウヨッホから見たイラストではなく遠くから山並み全体を俯瞰したものなので展望台から見た山の形と一致するものはない。
でも今回ようやく特定できたのは、スフィンクス・テラスにあった、山並みがどう見えるかを示した案内板の写真を撮っていたからだ(下写真)。
もう少し拡大して見やすくすると、Jungfrau(ユングフラウ)が、中央やや右寄りにあるのがわかるだろう。
スフィンクス・テラスから見たメンヒ(4,107m)。・・・本写真2018/3/29追加
スフィンクス・テラスから見たアレッチ氷河。
プラトーから見たスフィンクス・テラス
今回、朝一番の電車で上がったので、駅から山の内部の順路に従って少し歩いたところからエレベータでさらに上がるスフィンクス・テラスにはほとんど人がいなかった。降りて来て、子供向けと思われるようなアルピン・センセーション、氷の洞窟 に氷の彫像が展示されているアイス・パレスを抜けて、プラトーという雪原には大勢の団体客がいたので、もしかしたらエレベータで昇降するスフィンクス・テラスは時間の都合でコースから外してあるのかもしれない。あるいは、降りるときに1台が修理作業中だったのでこの影響だったのかもしれないが。また、このエレベータは順路の脇に何気なくあって、大事なところなのにうっかり通り過ぎてしまう恐れもあるので要注意。
しかし、本当に好天に恵まれてよかった。最高だった。ヴンダヴァール!である。ドイツでも10月中旬の気温として準備してきたよりずっと暖かく、グリンデルワルドも暖かかったが、ここはさすがに標高3,500mの雪山なので、初めて今回の旅行のために買ったダウンジャケットが役に立った。
ユングフラウヨッホ駅~アイガーグレッチャー駅
RE546 ユングフラウヨッホ 10:43→アイガーグレッチャー11:07(クライネシャイデック行き)
下り電車は長いトンネルを抜けるとすぐにアイガーグレッチャー駅に停車。停まったところはプラットホームがないので(ユングフラウヨッホ駅もなかったのだが)、降りるのをためらったが、動き出しては元も子もないのでドアのボタン押して下車。因みにグレッチャーは氷河の意味で、英語で言うglacierである。
これから駅の下の小径を下って行くのだ。
クライネシャイデックまで下りてから昼食の予定だったが、駅にGletscher-Restaurantsという素敵なレストランを発見したのでここで食べて行くことにする。時間も早いので客は他に一組だけだ。
ユングフラウコーヒーは、飲み終わったらマグカップをくれる。実際には新しいのをくれた。
マルゲリータという名前だったのでピザと思って取ったら、パイではなく玉ねぎとジャガイモの上にチーズをのせて焼いたもので美味であった。ビールがあればなおよかったがハイキングの前なので我慢する。
アイガー・トレイルをハイキング
歩き始めは少し急で、ただのウォーキングシューズのため、滑らないように気を付けてあるいたが、すぐに広くてなだらかな歩きやすい道になった。
道は線路脇に戻り、振り返るとアイガーが。
遠く下方にクライネシャイデックの駅が見える。そこまで歩く。
歩いているすぐそばを登山電車が通り過ぎる。写真下左は、旧型車両を使った作業用荷物電車。
まさに鉄道模型のジオラマの世界。
駅はすぐそこ。
振り返るとホテルのバックにアイガーとメンヒ。夏のシーズンが終わって静か。
ホームの左側Aはこれから乗るラウターブルンネン方面、右側Bは朝乗って来たグリンデルワルド方面。
クライネシャイデックの駅舎と、作業用の電気機関車。四角窓と丸窓の組み合わせが可愛い。
クライネシャイデック駅~ヴェンゲン駅
RE356 クライネシャイデック 14:01→ヴェンゲン 14:30(ラウターブルンネン行き)
計画より30分早いWAB鉄道の電車でヴェンゲンに到着。
駅から歩いて10分程で、ロープウェイ駅へ。
LWMロープウェー
LWMロープウェイは、Luftseilbahn Wengen-Männlichenのこと。Luftで空中、seilは登山で使うザイル(綱)、bahnは鉄道でロープウェイ。
ヴェンゲン 14:50→メンリッヒェン 14:56
このロープウェイの下は、冬はスキー場らしく、山肌にかなり急なコースが見える。ロープウェイは大型の2台が交互に行き交うタイプ。
メンリッヒェン
ロープウェイを降りたところの案内矢印ではメンリッヒェン山頂まで20分と示されており、すぐ近くに山頂が見え、グリンデルワルド・グルンド行きの最終ロープウェイまではまだ時間があったが、少し早くホテルに戻ってゆっくりしたいということもあり行かなかった。
これはiPhoneで撮影したパノラマ写真の180度のうちの150度くらいを切り抜いたものだが、どれがどの山か名前を調べようとして、ここにあった案内板の絵と比べてみた。
案内板は左写真のような、右半分に各スキーコース、そりコース、ハイキングコースなどのオープン状況や雪崩注意情報などを表示したものだが、上の写真は左半分の山の絵を拡大したものだ。
これを見ると、私の撮った写真は手前の雪のない山を除いて右から、ユングフラウ、メンヒ、アイガーとわかるのだが、その左の二つはどうも形が違う。
観光案内所でもらったユングフラウの公式パンフレットでも、「地球の歩き方」でも、右から、ユングフラウ、メンヒ、アイガー、シュレックホルン、ヴェッターホルンとなっており、これらに描かれた山の形は私の撮った写真の形と同じと見て取れる。ところが、この案内板では、ユングフラウ、メンヒ、アイガー、フィンシュターアールホルン、ラウターアールホルンとなっており、山頂が尖った形に描かれているのだ。しかもアイガーとフィンシュターアールホルンの間は稜線としか見えないのにわざわざフィエッシャーホルン4,049mという名前が書き込まれているのだ。
いったいどういうことなのか。グーグルマップで調べるとこれらの山々は確かに存在するし、3D表示にしてみると、この絵のような形をしている。でもアイガーよりはだいぶ向こうの方にあって実際には見えないのだ。この日は天気がよく、曇っていたから見えなかったのではない。私が想像するにこの絵を描いた人は、フィエッシャーホルン、フィンシュターアールホルン、ラウターアールホルンが大好きで、シュレックホルン、ウェッターホルンなんかよりずっと素晴らしいんだぞ、と心の眼で描いてしまったのではないだろうか。
各山の高さはユングフラウ4,158m、メンヒ4,107m、アイガー3,970m、フィエッシャーホルン4,049m、フィンシュターアールホルン4,274m、ラウターアールホルン4,042m、シュレックホーン4,078m、ヴェッターホルン3,692m。アイガーより高い山がすぐ向こうにあるのに描かないわけにはいかなかったのかもしれないし(実際フィンシュターアールホルンはベルナーオーバーランドで最も高い山だそうだ)、グーグルマップでフィンシュターアールホルンの書き込みにはアイガーには悪いが最高かつ最も美しいピークだ、というようなことが描かれていたので、きっとこの絵を描いた人も熱烈なファンだったのだろう。
GGMロープウェー
GGMは、Gondelbahn Grindelwald–Männlichenの略で、4人乗りのゴンドラなのでLWMロープウェイと違って次々に来る。30分もある長いゴンドラで中間駅がひとつあった。冬にスキーに来たいものである。
メンリッヒェン 15:20→グリンデルワルド・グルンド 15:50
グリンデルワルド・グルンド駅~グリンデルワルド駅
RE462 グリンデルワルド・グルンド 16:08→グリンデルワルド 16:12
グルンドにはWAB鉄道の車庫がある。クライネシャイデックに向かう線路は見るからに急坂だ。
反対側はこんな感じ。これはメインストリートから斜めに入った並行する道。
ホテルに戻り、ベランダでアイガーを見ながらこの辺りで買って来たケーキを食べ、部屋のコーヒーメーカーで淹れたコーヒーを飲めて最高。
ホテルのスパ
一日の疲れを癒そうとホテルのスパ(ここではサウナのこと)に行った。チェックイン時の案内ではスパへは裸でガウン着用して行くようにとのことだったので、私は部屋で着替えてその格好で行こうとしたら妻がホテルの廊下をガウンでうろつくのはおかしいと言ってふつうに洋服を来て行こうとするので、まあ恥ずかしいことになってもいけないので私も妻に合わせてもう一度洋服を着直していった。廊下でガウンを来た人とすれ違ったのでやっぱりいいんだよと。
スパの入口を入ると通路にコインロッカーがあり、その向かい側に更衣室(2ブースほど)がある。そこで今度こそ裸にガウンに着替えて、洋服はロッカーにしまう。サウナは3種類あり 裸にガウンを来て男女共用。1つ目、2つ目は我々夫婦だけだったが、2つ目に入っているときに曇りガラスの向こうに裸らしい人の姿が見えた。3つ目に移るときに水風呂に男性が裸で入っているのが見えたが、日本人的には温泉レポーターではないのだから、風呂は裸でつからないと仕方ないよなとは思うが、男女共用なのでそこはやはり考えてほしいものだ。3つ目から出てくるとさっきの男性は腰巻タオルで屋外に涼みに出るところで、我々は何となく落ち着かない気分で、つまりこれ以上このような遭遇がないようにそそくさとロッカーから洋服を取り出し更衣室で着替える。私が更衣室から出てきたら若い女性がロッカーの前で着替えていて(おそらく更衣室が私たち夫婦で埋まっていたため)びっくり。ここのスパを利用するときは気をつけよう。この項、写真はなし。
レストランC&M
メインストリートを奥の方に5分ほど上がったところにあるレストランに行った。
料理の量を選べるので我々シニア夫婦は少なめの方にしたが十分。
私は牛ステーキのリゾット添え、妻は魚ムニエル?のラビオリ添えのようなものにし、デザートのアイスを付けたがどれも美味。最初に出て来たチーズ?はサービス、ワインを1本飲んで全部で131CHFは物価が高いスイスではこんなものかと。
第7日 フィルスト/グリンデルワルド~ジュネーブ
フィルストロープウェー
First Bahnのグリンデルワルド駅。8:30運行開始で、ゴンドラタイプなので運行開始直後の10人目くらいに乗る。
グリンデルワルド 8:33→フィルスト 8:58
途中駅の付近。冬はスキー場だ。
フィルスト~バッハアルプゼー ハイキング
First Bahnのフィルスト駅から10分ほどで、クリフ・ウォークに着く。時間がないのでここはパス。
ゆっくり写真を撮りながら、1時間弱でバッハアルプゼーに今朝の一番乗りで到着。天国に一番近い湖という感じ。左側の一番高く写っている山がシュレックホルン、真ん中の鋭い三角のピークがあのフィンシュターアールホルンと思われる。詳しい方、間違っていたらご指摘を。
フィルスト~バッハアルプゼーのハイキングコースもさえぎる物がなく、心行くまでアルプスの景色を堪能できた。写真下の一番左側の近くの山は、うーん、ヴェッターホルンだろうか。初めてスイスの山を見た者がこのようなことを書くのは10年早いと言われるかもしれないが、山は見る方向で当然形が違うし、グーグル3Dマップで見る角度を回転させて、フィルストからあっちの方を見るとこの写真と同じ形に見えないだろうか、などと調べたものだ。これをやっているとどんどん時間が経ってしまうが、なかなか楽しい。わかる方、ご教示を。
約2時間でロープウェイ駅に戻る。駅のトイレは美しいデザインで清潔である。さすが観光立国スイス。ゴンドラなので待たずにすぐに乗って降り、ホテルに戻る。
フィルスト 11:13→グリンデルワルド 11:38
アイガーセルフネスホテルではチェックアウト日に荷物を預かってもらえるが、”セルフネス”ホテルなので地下の荷物室のキーを借りて、自分で出し入れする。それ以外にセルフネスを感じるのは部屋のコーヒーメーカーで自分で淹れるくらいだったが、地下にはランドリーもあったので長期滞在する場合には自分で洗濯ができるようだ。
グリンデルワルド駅~インターラーケンオスト駅
午後からは3路線乗り継ぎでジュネーブまで行く。
R246 グリンデルワルド 12:19 →インターラーケン・オスト 12:54(インターラーケン・オスト行き)
帰りは旧型車両。電車の中で、駅に来る途中で昼食用に買ったパンを食べる。
インターラーケンオスト駅~ベルン駅
IC972 インターラーケン・オスト 13:00→ベルン 13:52(ベルン行き)
乗り換え時間は6分でホームも2B番線から7番線へと離れていたが、スロープを駆け下り、駆け上って無事乗車。
ベルン駅~ジュネーブ駅
IC2522 ベルン 14:04→ジュネーブ 15:48(ジュネーブ空港行き)
スイスジュネーブホテル
ジュネーブに対する私の抱くイメージは洗練された国際都市、というものだったが、実際に来てみると、今回これまで滞在してきたドイツ、スイスとは雰囲気がずいぶん異なった。これまでよくも悪くもキッチリ、カッチリ整然とした空気だったのだが、ジュネーブは駅から外に出たとたん、カオスのようなどろどろ感があり、これはまさに国際都市たる移民の多さが醸し出している雰囲気なのかもしれない。
ジュネーブはフランス語圏なので、ホテルのチェックインは、ボンジュール!ジュスュイ〇〇(こんにちは!私は〇〇です)で行う。あとは英語になってしまっても少しでも現地の言葉を話すことが大切、というのが私の考え。
ホテルの部屋のバスルームは、私の個人的なイメージではパリのアパルトマン。もしパリに単身赴任していたらこんなところに住んでいたかな、と。バスルームの窓からはジュネーブ駅が見える。バスルームの灯りをつけていたら向こうからも見えるだろうと思ったがブラインドの下ろし方がなかなかわからず困った。実は下左写真の窓の脇にぶら下がっている銀色の棒の一番下がクランクのように折れ曲がってクルマのジャッキアップの要領でぐるぐる回すとブラインドが降りるのだった。
レストラン竹林
グリンデルワルドでの滞在時間を膨らませ、明朝はすぐに出発のために、ジュネーブは見る時間がなくなってしまった。これならジュネーブで1泊せずに直接パリまで行ってもよかったかもしれない。夕食は、そろそろ洋食疲れになってきたので箸休めに和食よりは安いであろう中華を食べにゆく。レストランの現地名は、RESTAURANT FORET BAMBOUS。せっかく妻が持ってきたタブレット端末で検索して予約していったのに、何にも確認されなかった。店の前に立っているのは女主人で、中華をフランス語や英語で注文するのはわけがわからないので中国語メニューで中国語で注文した。チャーハンと蜜汁叉焼とスープで、ビールは青島。蜜汁叉焼は、中国にいた頃はよく食べたがここのはちょっと汁気が多すぎて変だった。でもこういうものだと思えば何ということはなく、久しぶりのご飯とともに美味しく食べられた。ここでのお勘定は、中国国内ではないので、北方のジエチャン(結帳)か、南方のマイダン(買単)かと思ったが、マイダンで済ませた。
第8日 ジュネーブ~パリ
ジュネーブにもトラムが走り回っており、横からは車輪がほとんど見えないので宮崎駿アニメに出てくる毛虫のような虫が這っているようで面白い。
ジュネーブ駅~パリ・リヨン駅
TGV9768 ジュネーブ 09:41→パリ・リヨン駅 12:49(パリ・リヨン駅行き)
TGVの乗り場には空港の保安検査場みたいなものがあるが、稼働させておらずそのまま通過しホームに上がる。TGVは、両端の車両だけが動力車のようだ。
TGVはスピードを出しているときはそれなりに速い(何Km/hかは不明)が、そうでもないときの方が多かった。今回は遅れのせいかもしれないが。
パリ・リヨン駅には20分ほど遅れて到着。ドイツでは1分も遅れずに正確だったのにフランスに近づくに従って遅れが増えるのは国民性だろうか。スイスでもドイツ語圏内では正確だったのに。
パリ・リヨン駅は、ミュンヘン中央駅と同様にホームが櫛の歯状。
パリ・リヨン駅~ホテル・フランス・ダンタン・オペラ
パリ・リヨン駅からホテルまではRERで行こうか、地下鉄で行こうかと考えていたのだが、パリでは地下鉄の中で窃盗被害に遭うことが多い、などという情報を見て、荷物も増えているのでタクシーに乗ることにした。幸い駅のタクシー乗り場で5分程度の待ちで乗れた。タクシーでは気合が肝心なので、ボンジュール!オテル・ダンタン・オペラ!と大声で告げる。何も言わずに走り出し方向的にはおかしくないし、あれはノートルダム寺院だ、などと運転手さんも英語でわりとサービスよく教えてくれるので安心していた。いったんセーヌ川の左岸に出て左岸沿いを走り、右折してルーブル美術館のピラミッドの前を通りオペラ座方向に向かっているので、スマホの地図も見ながら間違いないと安心していた。着いた、これがホテルだ、と言うので料金を払って荷物を下ろしてもらい、タクシーが走り去った後でホテルの看板を見ると、何とそこは、ドヌー・オペラ・ホテル、Daunou Opera Hotelだった。我々が行きたかったのはホテル・フランス・ダンタン・オペラ Hotel France D’Antin Operaなので、Dのあとが違うわけだ。ダンタン通りかドヌー通りかの違いで、後ろにオペラはついてるので、いずれにせよこの近くだろうとスマホの地図を見るとすぐそばだということがわかり、200mほど歩いて到着。
振り返って考えると運転手さんが途中で振り返って、XXXX?と言ったのはわからなかったので無視したのだが、きっとホテル名を確認したのだと思う。また、私が最初に行き先を告げるときにFranceを落としていたのも失敗の一因だったのだろう。紙にホテル名を書いて見せれば確実だが、やはりここは書かずに話して通じるかを試してみたかったのだ。
観光案内所
最初に、翌日の美術館巡りでチケット購入に並ばなくてもいいように、ホテルからも近そうな観光案内所に行く。ホテルの人によるとあっちの方にあるということだったが、パリ初日で土地勘なく、だいぶ迷ってようやく見つける。2日間パス(1人48EUR)を購入し発券手数料(1.50EUR)合わせて2人で97.50EUR。
シャンゼリゼ通り
セーヌ川右岸沿いのチュイルリー公園を歩いてコンコルド広場からエッフェル塔の写真を撮る。塔は上に登るのでなければ、あまり近くに行っても大きすぎてうまく撮れないのでこの辺が適当な撮影スポットと思われる。
このあと、今回の旅行で初めての雨に降られ、傘をさしてシャンゼリゼ通りへ。
商業ビルの入口に高級有料トイレの看板を見かけたので、見つけたときに入ってしまおうと利用することに。男女合わせて10名ほどが並んでいたが、受付で2EUR支払い、男女別に空くと次の人が案内される。男女ともに2EURでかなり高い(利用当時260円強)が、これはやはり女性の方が恩恵が大きいのではないだろうか。
シャンゼリゼ通りを凱旋門に向かって歩く。雨も上がり、シャンゼリゼ通りと凱旋門が両方写る場所で写真を撮る(その後、凱旋門の前でも撮ったがこの写真の方がいい感じ)。
凱旋門のところでこれまでシャンゼリゼ通りの右側を歩いていたのを左側に渡り、モンテーニュ大通りにあるというCaronという香水屋を目指す。この通りは名だたるブランドショップが軒を連ねるが、Caronがあるという地番にそれはなく、この辺り一帯に多数の店舗を構えるDiorがあるだけだった。土曜日のせいか、この辺りで開いている店は少なかった。
あきらめて夕食に向かうことにする。モンマルトル通りにあるChartieという安くて評判の大衆的なレストランで早く行かないと行列になるということで、タクシーで向かった。当初パリでは地下鉄のパスを買うか回数券を買うかなどと考えていたのだが、およそ歩いて行ける範囲のところしか行かないのと、地下鉄路線がよくわからないのとで、歩き+タクシーになってしまった。
大衆レストランChartie
6時頃に到着し、既に何人か待っている人がいたが、2人なのですぐに席に案内された。主菜が鶏肉だというだけで他のことはよくわからないが、ムニュ(コース料理、というかセットメニュー)を注文する。前菜はサラミソーセージがたくさん来たのでこれとパンだけでもけっこうカロリー摂りすぎではある。ワインはリストを見て悩んでいたら、ウェイターのちゃきちゃきしたおじいさんからこれにしろ、とすすめられじっくり値段を考える暇もなくそれにする。
お店の中は結構お客を詰め込んでおり、荷物は電車の網棚のようなところに上げるようになっていてなかなか合理的である。
我々が注文したら間もなく、テーブルがくっつけて配置されている隣の席に中年男女のカップルが座る。メルケル首相に似た知的な雰囲気の女性がフランス語で注文し、その後男性とはドイツ語でおしゃべりをしている。私の勝手な想像では女性が単身でフランス在住で男性がドイツから遊びに来て一緒に食事をしている夫婦といったところで、愛人という怪しい雰囲気はなかった。私の隣がメルケル女史、私の向かいの妻の隣が男性で、私と男性は斜め向かいなのでたまに目が合うのだ。
列車のボックスシートで一緒になった人とドイツ語で会話をするというのが出発前にシチュエーション想定だったのだが、荷物を席に置いたりしてほとんどそういう機会はなかったので、いまこのチャンスを逃したらもう次はないと思い、その男性はわりとフレンドリーな感じでもあったので、もう一度目があったときに、グーテン・アーベント!(こんばんは!)と話しかけてみた。男性もグーテン・アーベント!と返してくれる。私は続けて、イッヒ コメ アウス ヤーパン(私は日本から来ました)、イッヒ レルネ ドイチュ ザイト アイネン モナート(私はドイツ語を1ヶ月前から勉強しています)というと、メルケル女史が ドイツ語を話せるのですね、1ヶ月でそれだけしゃべれれば大したものだ、とか褒めてくれたので、アインビスヒェン(少しです)と返す。私はドイツ語を話せます、というレベルではないので、こういうときに使おうと思って、少しです、は言えるようにしておいたのだ。男性は、シュツットガルトから来た、とのことだったので、ドイツの列車は時間が正確で素晴らしいとか言おうかと思ったが、考えているうちに飛んでしまった。これだけの他愛のない会話だったが私としては大満足であった。
食事が概ね終わりかけたら、ウェイターのおじいさんがやってきて、紙製のテーブルクロスの上に勘定書きを書きつける。ムニュ17.90ふたつと、ワイン12.50、合計46.30EUR。かの男性がこれを見てにんまりしながら私に何か話しかけてきた。何て言ったかわからなかったが、きっと「この店は、これだからねっ!」みたいな感じで、私も「そうそう!」と大きくうなずく。
手計算で合計が1EUR少なく間違っているが、50EURを置いて出る。
店の外に出ると、結構な行列ができていた。早く入ってよかった。スーパーに寄って水や果物などを買って歩いてホテルに戻る。
第9日 パリ
オペラ座
まずは、ホテルに近いオペラ座へ。亡父がオペラ大好き人間だったがここを訪れることはなかったので帰国後仏壇にこの写真をお供えした。
ルーブル美術館
ちょうどこの辺りで寄付を求める若者グループに遭遇。寄付だけだからといわれてけっこうな現金を出させられた話を聞いていたので、無視して立ち去ろうとしても腕をつかまれてかなり強硬。
美術館の中は写真撮影禁止とばかり思いこんでいたが、フラッシュ禁止でも撮影はOK。モナリザは昔日本に来た時と、30年以上前のパリ出張時の2回見たことがあるが、今回も芋を洗うような混雑。撮影OKは美術館側がいいならいいが、名画の前での記念撮影のために他の鑑賞者を待たせるというのはやはり違うのではないかと思う。
カフェでランチ(CAFE RUC)
午前中ルーブルを見て、程近いリシュリュー通りとサントノーレ通りの角にあるカフェでランチ。これまで、旅のスケジュールとしては1日1回のカフェタイムを取ってあったのだけれど、結局移動や何やでカフェに入るのは初めて。
ビーフタルタルというものを取ったのだが、生肉のような恐ろしい外観。食べてみるとコンビーフのマヨネーズ和えのような食感と味だった。しかし1人で食べるには量が多すぎて、ちょっとお腹を下しそうな予感が。
オルセー美術館
セーヌ川を左岸に渡って、オルセー美術館へ。
その方面に造詣のない我々にとってはルーブルは宗教画が多く、なじみのある絵はモナリザとドラクロアの自由の女神、というところだったが、オルセーの方が美術の教科書でもみたような印象派の名画が多く、親しみが持てた。
Caron
香水屋のCaron、いくつか店舗があるが、オペラ地区にある店は日曜日でも開店しているというのを妻がネットで見つけてオルセーからタクシーで直行した。ところがやっておらず、ショーウィンドウから見るだけ。妻はこのアヒルの羽毛でできたピンクのパフをお土産に買って帰りたかったそうな。
悔しい気持ちが収まらず、デパートに行こうというので道端で地図を見ていると、パトカーの警官が何を探しているんだ、と尋ねるのでデパートと答えるとあっちだ、と指さされ地図の方向ともあっているのであっちの方に歩くが見つからず。
そのうちお腹の具合がおかしくなってきて、トイレに行けそうなところを探しながら歩くがない。大きなホテルでも1階のわかりやすいところにはなく、マクドナルドは入ってすぐのところにあるが、テンキーがついていて暗証番号がわからないと入れない。そういえば注文すると暗証番号の入ったレシートをくれると書いてあったな、と思うが面倒くさく、あまり余裕がなくなってきたので、タクシーを拾ってホテルに戻った。ホテルで休んで体調を整え、夕食のレストランをネットで探して予約する。パリでの夕食は土曜、日曜になってしまったため開いている店が少なくなかなか大変。
レストラン LA REGALADE
雨の中、昨夜と同じくモンマルトル方面、コンセルヴァトワール通りにある、昨夜よりは少しだけ高級なLA REGALADEにタクシーで行く。
ムニュ(コース料理)を注文する。スターター、メイン、デザートがそれぞれ5種類の中から選べるというもの。
写真下左は、サービスのパテ。これ2人でパンと一緒に全部食べたら、それだけで満腹なので、1人1切れしか食べなかったが、残ったところはどうするんだろうというのが疑問である。お店の人が切り分けてくれて、残りは持って行くなら次のお客さんに出せばいいと思うが、食事中ずっとここに置いてあったものをよそのお客さんに出すのはやはり具合が悪いだろう。パリのお客さんはふつうこれを食べ切ってしまうのでそういうことを心配する必要はないのだろうか。
写真下中は、スターターで私が頼んだサーモンのカルパッチョ、写真下右は妻が頼んだイカ墨のリゾット添え。
タクシーでカードスキミング 被害
第10日 パリから帰国の途へ
ガレリア・ラファイエット(デパート)
旅の最後に買い足りなかったお土産をまとめて買うにはデパートがよいと、ホテルにほど近いガレリア・ラファイエットに歩いて行く。ホテルのチェックアウトは12時だったので、荷物は部屋に置き、タクシーは、昨夜のうちに手配してもらっておいた。
デパートに吹き抜けは多いが、ここの吹き抜けはとても綺麗。ドーム天井のステンドグラスのグラデーションが得も言われぬ美しさ。
フランス語はドイツ語に比べて定着度合いが低く、これいくらですか?、もノートで確認したあと「セ コンビアン?」。買物を終えたら、ポストを探しながらホテルに向かって歩く。ユーレイルパスは、使い終わったらユーレイルパスの発行元に送り返すことになっているのだ。ユーレイルダイアリーに利用者が記入した旅程を見て、今後に役立てるのだそうだ。返送は義務ではないが、返送した人には記念品が送られるそうだ。なお、ユーレイルパスやユーレイルダイアリーは記念に取っておきたい場合には返送希望欄にチェックをしておくと記念品とともに返送してくれる。私は万一返送されなかったときのためにこれらの写真を撮っておいた。なぜか2連の黄色いポストに投函。
シャルルドゴール空港
エミレーツは機内持ち込み手荷物を厳格に1個に制限しているようなので、背中のザック以外は持ち込めない。一方預け荷物は2個までOKだが、土産物を入れたビニールバッグはそのまま預けると破れたり中のものが破損したりする恐れがあるので、段ボール箱に入れて梱包してもらった。この梱包サービスは、交代時間かなにかの精算処理に手間取り20分くらいは待たされた。梱包料金は基本料金が14EUR、箱代が10EURで合計24EURと結構高い。箱は半分くらいの大きさのもので十分なのに、預け荷物の大きさ制限以上なので大丈夫か心配だったが結果的には問題なかった。
EK074 パリ10/23 15:35→ドバイ10/24 00:20(フライト時間6:45)
機種はやはりA380で定刻離着陸の快適なフライトだった。食事は夕食が1回でそれ以外は消灯され夜モード、映画を1本見た。第二次世界大戦中の冬のスイスが舞台で、今回の旅行と関連付けて見られて面白かった。
第11日 ドバイ空港~成田空港
ドバイ空港
EK318 ドバイ10/24 02:40→成田 17:25(フライト時間9:45)
これも順調なフライトで朝食と夕食?以外の時間は消灯されて夜モードだったが、あまり寝ては時差ぼけによくないと思い、文庫本を1冊読み終えた。
成田空港
成田空港の荷物受け取りレーンは、これまではそんなに感じたことはなかったが、A380の大人数(500人前後か)で到着すると小さすぎる。3つの荷物のうち私のスーツケースが最後になり、結局30分近くかかってようやく出て来た。成田空港第2ターミナルの荷物受け取りレーンは、荷物を載せるベルトコンベアが壁際から出てきて5mほど壁に沿って動いたあとU字型に突き出して壁際に戻り壁際に沿って5mほど動いて壁の中に戻って行くが、U字型に突き出している部分の長さが10m程度しかない。これは少なくとも20mくらいに伸ばせるスペースがあるので、東京オリンピックまでには改修してほしいものだ。
旅の総括
かくして11日間の旅は無事終わり、帰国することができた。テロに遭遇するということがなくて幸いだった。鉄道は万全の準備をしたおかげで乗り換えを失敗することもなく、添乗員つきのバスツアーでは得られない貴重な経験ができて非常によかった。また、少しではあるがドイツ語、フランス語も実地に使うことができてよかった。めでたしめでたし、である。是非、もう一度、と言わず何度でも行きたいものだ。
なお、これまでに触れられなかったことについて、以下にまとめておく。
ユーレイルパス
使用日時欄は計画どおり、1日余して終了。
トラベルダイアリーは、記入必要のなかったインターラーケン・オスト~グリンデルワルド往復を誤って書いてしまうなど若干の記入ミスはあったが、指摘されることもなく問題なし。
トラベルダイアリーは、ドイツではトロイッヒリンゲンまでは検札時にチェックされなかったが、その後チェックされ、スイスでは全てチェックされた。チェックされた場合には乗車月日と列車番号がスタンプされるが、最後のベルン~ジュネーブ間は、最初に来た車掌さんが、後で来るマシンを持っている人がスタンプすると言っていたが忘れられた。
朝食
10/16 ローテンブルク、10/17 ミュンヘン
10/18 ミュンヘン駅で朝食用に買ったパン
機内食
エミレーツの食事は全部で6回、エコノミーだったが美味しく満足できた。毎回チーズも付いていた。
10/23 パリ-ドバイ 夕食
携帯電話の電波
ドイツは都市部のみ3G接続(4Gがあったかどうかはモバイルルータが4G非対応のため不明)、列車で都市間を移動中はほとんど2G接続。ノインシュヴァンシュタイン城などの観光地でも2G接続で遅い。
スイスは観光地(ユングフラウヨッホ、ハイキング中など山中を含む)、列車で都市間を移動中もトンネルなどで切れたときを除き3G接続で快適。
フランスは、TGVで移動中は大半2G接続でNo Serviceになることも多かった。パリでは3G接続。
海外SIMの使用結果
旅行開始前日に日本でネットにつながることを確認してから行った。日本ではソフトバンク回線につながっていた。海外でどの電話会社の回線につながる契約になっているかは不明だが、実績としては、ドイツがE-Plus(3G/2G)、スイスがSwisscom(3G)、フランスがSFR(3G/2G)につながっていた。旅行中は使用容量が3GBだと勘違いしており、9日目には2.9GBになってしまったので、その後はなるべくWiFiのあるところでのみ使うようにした。しかし実は4GBまで使えたので、今回の11日旅行には2人でスマホ2台とタブレット1台に使ってちょうどよかったことになる。主な用途は、SNS、メール、WEB検索、地図で、動画は不使用。なお、ホテルでは基本的にWiFiを使っていた。写真は8日目で2.2GBを示しているモバイルWiFiルータの表示。
電源コンセント
コンセントあるいはプラグの型は各国で何種類かあるが、以下に今回私が宿泊したところの型を示す。また電源電圧AC230Vなどは代表的な公称電圧のひとつで実際に測定したわけではない。
- ドイツ(ローテンブルグ)、ドイツ(ミュンヘン) AC230V C型電源コンセント
コンセントの凹みは深いが円形なので、C型の変換プラグを1個噛ませるとテーブルタップ(中国で買ったAC240V用でプラグはO型)が挿せる。
- スイス(グリンデルワルド、ジュネーブ) AC230V B型電源コンセント
コンセントの凹みが深くて狭いので、B型変換プラグを2段噛ませないとO型プラグのテーブルタップが挿せない。なお、日本用のAC100Vのテーブルタップは決して使わないこと。
- フランス(パリ) AC230V C型電源コンセント
エレベータ
写真下左と中はアイガーセルフネスのエレベータで箱の内扉なく、着いたら直接STOSSENと書かれたところを押して出る。写真下右はダンタン・オペラのエレベータで螺旋階段の中心部に配置されており内部は円筒形で非常に狭かったがスライド式の内扉があった。
ジグソーパズル完成
帰国後、三日三晩かかってノイシュヴァンシュタイン城のジグソーパズルが完成した。1000ピースの大作で額縁も特注であつらえたものだ。
ユーレイルパス記念品
12月10日頃、待っていたユーレイル記念品が郵送で届いた。折りたたみ式のビニールバッグで、もっと大きければ買物用のエコバッグにするところだが、何に使おうか。なお、ユーレイルパスとダイアリーは同封で無事返送されて来た。(本項、2017/12/15追記)
以上
(2017/11/22)