製作記事

同軸ケーブル引き込み

同軸ケーブル引き込み

  5月にアンテナを上げ(ベランダアンテナ参照)、7月にリグを買い、8月に復活後の初交信をしましたが、同軸ケーブルの建物内への引き込み方を決めかね、受信の都度、あるいは交信の都度、窓を開けてはケーブルを引き込み、終わったらベランダに置いたコンテナボックスにしまう、という煩わしいことをやっていました。
ケーブル保管庫

 ベランダに面した和室でやっているうちはそれでも何とかなっていたのですが、和室を撤収し反対側の書斎にリグを移動すると、ケーブルを5~6mも伸ばしたり巻いて戻したりは、1回やっただけでいやになりました。和室を黒い同軸ケーブルが横断するのは見ばえも悪いしケーブルにも変な癖がついてきました。これは、いよいよ何とかしなければ。

 

同軸ケーブル引き込みポイント

 利用できる既設の穴(エアコンの配管用穴)は近くになく、アルミサッシ窓から平たく通す忍者ケーブル※のようなものは値段は高いし挿入損失もあるし、ということで壁に穴を開けるしかないかと思いましたが、いいところがありました。アルミサッシ窓の上部の換気用小窓です。

 ※秋葉原のロケットでは、ウインドウ・スルーケーブルCTC50Mという製品が6,930円で販売されています。建物に加工をすることが許されない場合はこういうものを選択することになるのでしょう。

換気用小窓にあけた穴

 スライド式の小さな引き戸を左に引くとアルミ製の網になっておりここから換気をするようになっています。この網の部分に穴を開けてケーブルを引き込むことにしました。

 アンテナからこのポイントまでは大屋根の上を同軸ケーブルを横断させることにします。

 

大屋根横断Try1

 ベランダに脚立を立てこれに上がって、竹竿の先に園芸用支柱を結びつけ、その先にY字型の金具(の代わりに洗濯ばさみ)を結びつけたもので同軸ケーブルを向こう側(書斎側)へ押しやる、頂上を越えたらあとはコネクタおよびケーブルの自重で落ちてくれるのではないか、という作戦を実行しました。

押しやり棒の先端部分

これがその押しやり棒の先端部分です。

Try1 失敗

見事失敗しました。

ケーブルの腰が強く、屋根の上でカールした状態でこれ以上は落ちてくれません。
屋根の横断距離が短い部分も試しましたが、押しやり棒方式は屋根の横断長と同じ長さがないと無理、ということで断念。

屋根の横断ではなく建物の周りを水平に廻すという案も考え長さを測ったりしましたが。。
 

大屋根横断Try2

 友人より腰のない細い電線をひょいと投げて向こうへ通してから、それで同軸ケーブルを引っ張ればよいのでは、という提案があり、うーーん、何でそんなことを気が付かなかったんだろう、と思いながらも、Good idea!ということで即採用、日を改めて道具、材料をそろえて再チャレンジしました。
引き込み用材料

飛ばし道具

まずは、荷造り用ビニールひも(正確にはポリプロピレンテープ)に100円ショップで買ってきたテニスボールを結び付けます。そのままではやりにくいので、ポリ袋に入れて袋に結び付けます。

適度な重さと、向こう側で雨どいを支点にしてくるっと回ってガラス窓をガシャンとやらないような軟らかさ、ということでテニスボールを選びました。

ビニールひもは写真の状態のままではなく、大屋根横断プラスアルファの長さに切り、しっぽの側を脚立に結びつけてから脚立に上り、えいっと投げました。
 

雨どいに

1投目

脚立上では左手で投げる方が投げやすい位置関係だったのですが、左手では投げられないので利き手の右手で、腕は大きく振れないので手首のスナップで投げます。

うまく向こうに行ったかと思いきや、残念、雨どいに入ってしまいました。

TVアンテナのステー線かかり

3投目

高く投げ、ひもが伸びきりうまく行った感触でしたが、今度はTVアンテナのステー線の上を通っています。これでは駄目。

 ついに成功!

7投目

低く投げようとして屋根の手前に当てる失投を繰り返したあと、ついに成功!

ほら、目の前に

家の中から見てもこのとおり。

 連結

脚立に結び付けていたいたビニールひものしっぽを、同軸ケーブルの先端に結び付け直します。

ケーブル先端部はコネクタの保護のためポリ袋を被せてあります。

書斎側の窓からビニールひもを引っ張ると、結構重いです。少し引いたところで無理するとひもが切れそうな雰囲気に。

 再び押しやり棒登場

そこでベランダ側に戻って、Try1で使った押しやり棒でカールのついた部分を向こう側へ押しやります。

 あと少し

だいぶ引っ張れて、あと少し。

窓から引っ張ると雨どいに直角にあたって摩擦が強いので下に降りて、なるべく鈍角になるように引っ張ると。。

 やったね!

出来ました。
成功!!

 ブッシング装着

ケーブル保護のため、自在ブッシュを網にあけた穴の内側にはめこみます。
材料写真の中のムカデのような形のものです。

円形のケーブルブッシュとどちらが適当か現物あわせしようと思い両方買って来ましたが、円形の方は穴をもう少し拡げないといけないのでやめました。

 軒下に固定

屋根から雨どいを経て軒下に回りこむ部分はケーブル保護のためスパイラルチューブを巻きます。

その上からケーブルクランプ(品名はナイロンサドル)で軒下にコーススレッドネジ(25mm長)で固定します。

コーススレッドネジは強力、木割れしにくい、ですっかり気に入りここのためだけに25mm長のを買ってしまいました。(ベランダアンテナ参照)



余談ですが、ケーブルクランプは適合ケーブル径により4種類ほどあるのですが、同軸の5Dにあうと思われる種類が欠品していました。土日に行くと店員さんがほとんど見つからないのですが、節電のための輪番集中休日で月曜日に行ったせいかすぐに店員さんが通りかかり在庫を尋ねると、この大袋(何百個も入っている)と同じものですので少しお待ちいただければお作りします、とのことで5分ほどで小袋(10個入り)を作ってくれました。ホームセンターはトステムビバなのですが、「ホームセンター スーパービバホーム」ブランドのものだったのでこういう融通がきくのですね。実習生のおねいさん、ありがとう!

 窓自体に固定

穴を通すとところはケーブル側にも保護のためスパイラルチューブを巻きました。これは前述の雨どい部のスパイラルチューブとはつながっていません。つながっていると雨水がこのチューブを伝って家の中に侵入してくることを恐れたためです。

窓枠の壁(内部は木の柱)にケーブルを固定すると窓が開けられなくなるため、窓自体にケーブルを固定しました。クランプの向きが合わないため、アルミ板を細工して固定用金具を作り、これを換気用小窓の網部分にネジ止めし、これにケーブルクランプをネジ止めしています。

 パテで穴埋め

引き込んだケーブルはそのままでは不安定かつ邪魔なので窓枠の壁にクランプで固定でしました。コーススレッドネジ(25mm長)を使用。

ここはスパイラルチューブを被せていないので、ケーブルとクランプの間にすき間があり、窓を開けるときにはケーブルを滑らせてずらすことができます。

購入したクランプは前後の関係から5D用かと思ってましたが、少し大きかったようです。スパイラルチューブを被せた状態でちょうどよい大きさでした。

穴の周囲は、内外ともパテで埋めて完成!

 外側から見る

外側から見たところ。
ケーブルは雨水が伝って家の中に侵入して来ないよう、軒下でいったん下の方にたるませてから上方に向けて引き入れます。

 スパイラルチューブ

ベランダ側も雨どい部分も保護のためスパイラルチューブを被せました。

 全体像

全体像です。
これでやっと、QSO(交信)ができます!

 雷対策?

おまけ。

 雷が発生したときどうするかは大きな課題です。
無線機からコネクタを外して、ケーブルを外に放り出すことはもうできません。

そこで、雷のときは陶器のビアジョッキにコネクタを入れておきます。
セラミックは絶縁物なのでとりあえず何もしないよりはいいかと。

最初、常滑焼のかめをよほど買おうかと思ったのですが、100円ショップのビアジョッキに値段で負けてしまいました。でもケーブルの腰の強さに負けているのでやはりかめを買い直すかも。
(2011/9/6)

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