中国渡航記

中国携帯の電波比較

中国携帯の電波比較

 中国では、引っ越すとその都市の携帯電話会社に契約をし直す。私の場合、引っ越し前は深センで深セン移動(中国移動通信の深センの地方会社)と契約をしていたが、上海に引っ越した以降もその契約のままで使い続けると、電話料金、通信料金が高くなるためだ。

 そこで上海ではどの電話会社と契約するかだが、ふつうは携帯電話会社自体は変更せず上海移動ということになる。その理由は、中国スマホ検討大失敗の香港SIMの項でも述べたが、中国の3G携帯電話方式は3種類あり、中国移動がTD-CDMA方式、中国聨通がW-CDMA方式、中国電信がcdma2000方式なので、自分の携帯電話が中国移動版でTD-SCDMAなら、引っ越しても同じTD-SCDMAである中国移動を使い続けざるを得ないということだ。

 ところが、私の場合は深センでの中国移動(TD-SCDMA方式)と香港(W-CDMA方式)の両方が使えるデュアル3Gのスマホなので、選択の幅がある。つまり中国国内でW-CDMA方式を採用している中国聯通に切り替えられるのだ。

 深センにいたときは、深センでも近くの東莞でも中国移動は音声はほぼ2G(GSM方式)、たまに3G、データ通信は深セン市内の調子のいいところでは3Gでつながるが、市内から出るとほぼ2G(GPRS方式;2.5Gともいう)、もしくは2G高速版のEdgeしかつながらず、WeChat(微信;日本のLINE相当)程度はつながるが、WEBページは遅すぎてほとんど見る気にならないという代物だった。

 3Gに関しては、中国聯通がカバレッジが広いという話を聞いていたが、これは中国での3G導入時にすでに日欧で実用化されていたW-CDMA方式免許を中国聯通がもらったためだろう。一番力があり、加入者も多かった中国移動は当時まだ完成していなかったTD-SCDMA方式の免許をもらったため、3Gでは出遅れてしまったものと思われる。その代り中国でいう4G(LTE)では中国移動が先行していると言われるが、まだ都市部の一部のようである。

 それで私は4G機に買い替える気はないため、手持ちのデュアル3G機で上海へ引っ越し早々、6月中旬に中国聯通に契約変更した。これは、結果的にも大成功だった。

携帯電話の電波強度比較

 中国聯通のデータ通信は上海市内でも近郊の呉江、蘇州などでもほぼ3G高速版のHSPA+でつながっている。都市間でたまに2Gに落ちることがあるがあまり気にならない程度だ。

 私のスマホはデュアルSIM機でもあるので、深センのときの中国移動のSIMも生きているときに、通話用の電波をスマホ画面上のアイコンで見ると電池マークの左隣の中国聯通の電話は3G、その左隣の中国移動の電話はG(GSM=2Gのこと)、その左端の中国聯通のデータ通信はH+になっていることがわかる。

 因みに、深セン移動の契約を解除したあともSIMをそのまま入れておくと電話、通信は当然できないが、電話の電波の状態だけはわかるので、いつも中国聯通の3Gでの優位性を確認しては選択の正しさに対して満足している次第である。

(2015/11/2)

a:504 t:3 y:2